最終話 TSって最高!!

 TSって本当に最高だよな。


 だって、結果僕は全てを手に入れた。

 僕を愛してくれる恋人たち。

 かつて焦がれた初恋の人。

 そして憎き騎士への仇討ち。


 全てを成し遂げた僕は、モリーに頼んでTSの秘薬を増産してもらうことに成功する。


 だが、それが市場に出回ってはアレクが復活してしまうかもしれないから、あくまで個人の趣味として利用するに留めた。


 TS薬の良いところは、材料確保の難しさにある。要は、破茶滅茶に手強いダンジョンの奥地で獲れる薬草を使用するのだ。


 モリーが持っていた秘薬は、彼女が完全なる趣味で開発したものであり、その材料は、魔王討伐の冒険の道中で手に入れたもの。


 でも、世界を救った最強の僕らには関係ないね。僕らは、気の向いたときにダンジョンに潜ってはTS薬とその解除薬を増産し、その日の気分で性別を変えてお楽しみをするようになった。


 毎日がまさに薔薇色。

 ......いや、百合色か?


 とにかく、今では4人とおまけ1人でわいわい楽しく暮らしている。

 メリアーヌは、夜は共にできないけれど、お菓子を作るのが趣味だったのでパーティの皆にはそれなりに受け入れてもらえて、重宝された。

 メリアーヌとしても、居場所のない城にいるより幾分かウチにいる方がマシだったのだろう。軟禁しているわけではないのに、ずっとウチに住み着いている。


 にこにこと、4人の女子が茶菓子を頬張る姿を見て、僕はいつも癒されている。


 それもこれも、TS薬のおかげだ!


「さぁ、今日はどちらにしようかな?」


 僕はクローゼットの前に立って、スカートと男性モノのジャケットを手にして上機嫌だった。


 今日はエリスと買い物に出かける予定だから、男の方が喜ぶかなぁ?

 でも、女の僕にお洒落をさせて出かけるのも彼女は好きだし、悩ましい。


 ライザは、女の姿だと物足りないのか、夜は男の姿になることを望むし、それでいて女の僕を愛でるのも好きだから困ったものだ。


 モリーに至っては、「皆違って皆良き」の一点張りで、「テーゼくんならどちらでも好き」なんだって。そこまで愛されちゃうようなこと、僕したっけ? でも、モリーの好意は素直に嬉しい。


 そういえば、最近、出版社の人から「魔王を倒した武勇伝を執筆なさいませんか?」なんて誘われているんだったっけ。


 僕は、とりあえず筆を取って一筆書いた。


『全ての勇者を志す者に、まずはTSの素晴らしさを伝えたい』


 ――と。


                       FIN


----あとがき--------------------------------------------------

※こんばんわ。ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました!

 これにてこのお話は一旦終了です。

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【短編】TSして女になった途端にモテはじめる勇者の百合園 南川 佐久 @saku-higashinimori

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