(いみエモ話)新年から、この買い物かよ①近所にできた海外大型店が、おかしい。

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「新年の買い物は、たくさん物が並ぶ、良い感じの店で!」そう思っていたあなたに、ビックニュース!やってくれるぜ、海外型の大型店!

  (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

   ☆

 家の近所に、海外型の大型スーパーマーケットが建った。

 浮かれすぎの俺は、注意。

 「かえって、心配」

 真剣に、デメリットを語ってくる人も、いたからね。

 「お前さあ」

 「何?」

 「大型店が建って、うれしいの?」

 「…は?フツーは、うれしいんじゃないのか?」

 「そうか?お前のフツーって、何?」

 「…」

 「地元の商店街とかに人が集まらなくなるんじゃないのかって、思わないのか?」

 「…」

 「シャッター通りが増えて、町の治安が悪くなるとも、考えられる」

 「…」

 そうか?

 俺は、海外型の大型店が、大好きなんだけれどな。

 メリットばかりで、デメリットはないと思っていたんだけれどな。

 うーん…。

 海外型の大型店では、一つの食品でも、大量セットで売られていたりする。

 「割安感が、あるし」

 メリットばかりを、感じていたよ。

 「まあ、良い。いってみると、するかな」

 店内は、まるで倉庫。

 大きな棚に、外国産の菓子やジュースやらが並ぶ。

 買いすぎには、注意だ。

 「うわ!」

 普段はやや小さく見えるスナック菓子が、巨大な袋入りで売られていた。

 「ただいま、開店キャンペーン中!」

 店内に、看板あり。

 「大人が一緒で、合計 3人以上のグループでお買い上げの場合には、 1袋のみ、半額にします!」

 放送まで、入った。

 「すごいなあ…」

 驚きつつ、売り場から立ち去ろうとした。

 …と、そのときだ!

 「ねえ、ねえ」

 どこかのがきんちょ男子が、俺の手を、引っ張ってきた。その子の左手には、先ほど売り場で見たでかい菓子袋が、握られている。

 「何だ、あの子?」

 泣きそうな顔を見せる、そのがきんちょ。

 「迷子に、なったのか?」

 こちらは、心配顔。

 「…このがきに、お兄さんがいたとする。そのお兄さんと俺が良く似ていて、まちがえられたんじゃないのか?」

 その子が、また、俺の手を引く。

 「ねえ、ねえ」

 今度は、近くを歩いていたおばさんの前まで、連れていかれてしまった。

 「ねえ、ねえ」

 その言い方、好きだなあ。

 …おっと。

 その子が、変なことを言いだしだぞ?

 「ねえ、ねえ。早く、レジにいこうよ!」

 え、何?

 何で?

 どういうこと?

 がきんちょとおばさんは、にんまり。

 …俺、血の涙。


  (この話の意味)

 「大人が一緒で、合計 3人以上のグループでお買い上げの場合には、 1袋のみ、半額にします!」

大型キャンペーンにあったその宣伝を、忘れてはならない。

 「俺+がきんちょ+おばさん」

 …あ、 3人!

 条件と、ぴったり。

 どうやら俺は、まんまと、キャンペーンにつき合わされたようだ。

 さすがは、日本の危険生物たち。

 やばいよ…。

 やばいよ…。

 で、あれ?

 ちょ、待てよ!

 そのおばさん、刃物を隠し持っていてさ。

 まわりからは見られない角度で、今、俺の背中に、それを突きつけているんだよ。

 がきんちょは、ニヤニヤ、笑っているし。

 だれか、助けてください!

 だれかあ!

エモいなあ。





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