第46話 二回目の鉱床探索

 次週のとある日……


 今日は、二回目のリュウガンロ鉱床探索日で有る。

 前回と同じ様に、俺たち三人は身支度を整えて王国城に向う。


 リンは今回からピストルを所持している。

 また、両手撃ちも出来る様に、ウリンの杖を収納出来る腰ベルトも追加した。


 アスにもピストルを所持させようと俺は考えたが、アスは『私はそんな物騒な物、要りません///』と困った顔で拒否された。

 黒魔法を使う方がよっぽど物騒なのに!?


 ……


「じゃあ、行くよ♪」


 王国城内で俺たち三人はコハルと合流して、糧食を貰ってから、コハルが笑顔で『テレポリエタ』を唱えて、王国城からリュウガンロ鉱床坑道入口へ瞬間移動をする。


『シュン』


「!!」


「!!」


 俺たちが瞬間移動すると、坑道入口には前回のゴブリン二体ではなく、オーク二体の歩哨に変わっていた!

 オーク二体が俺たちの突然出現に驚いている中。コハルが笑顔で俺たち三人に向けて話し始める。


「あらら♪ 向こうさんも本気の様だね♪」

「守りを固めているよ!♪」


「ギュ、ギュギュンンーー」


「ギュ、ギュギュンンーー」


 オーク二体は落ち着くと、雄叫び声を上げながら俺たちに襲い掛かり始める。

 俺は前回の戦闘訓練を思い出しながら、リンとアスに指示を与える。


「俺は、左のオークを斬る!」

「アスは、右のオークにオスキャ!」

「リンは、俺にパプロナミン!」


「はい!」


「はい!」


 俺の指示でアスとリンは、真剣な表情で返事をする。

 リンは素早く右手を俺に向けて『パプロナミン』を俺に掛ける。←一時的に攻撃力を高める魔法


『シュン!』


 白い光がリンの右手から放たれ、俺の体に入り込む。

 光が入り込むと、急に力がみなぎってくる!!


 リンの魔法が成功した事を確信して、俺は剣を持って左側のオークを切りに行く。

 アスは『オスキャ』を既に唱えていて、雷撃魔法を右側のオークに命中させていた。


『ゴロ、ゴロ、ドカーン!』


「ギャオォォンン~~」


『バタン!』


 右側のオークは雷撃が命中して、悲鳴を上げて倒れ込む。

 だが『オスキャ』一発だけでオークは倒せない。


 でも、全身雷撃を受けたのだから、しばらくは身動きが取れない筈だ。

 アスは、次の指示待ちの為に臨戦態勢を取る中。俺は掛け声を掛けながら、左側のオーク胸部を切り裂きに行く。


「うおぉぉーー」


『バシュ!』


「ギュ、ギュギュン」


 手応えは有ったのだが……オークは毛深くて、深くは刃が入らなかった。

 オークは不敵な笑みで、持っている石斧を俺の頭部を目掛けて振り下ろす!


『ブン!』


『ガツ!!』


「ぐおぉぉーーー」


 俺は持っている盾で、オークの石斧を防ぐが完全には防ぎきれず、逸れた石斧が俺の左腕肉部分を削り取る!


「スイスイ!」


『キラーン☆』


 俺が悲鳴を上げる中、リンは素早く俺に『スイスイ』を掛ける!

 俺は『スイスイ』で回復しつつ、二度目の攻撃をオークに仕掛ける。


「死ね。この野郎!」


 俺は勇ましい表情で、今度は頭部を目掛けて切り裂く!


『ザシュ!』


「ギャオォォンン~~」


『グサッ!」


「ギャ、ギャ、ギャオォォンン~~」←オークの断末魔


 オークの頭部を切り付け、オークがパニックになる中、俺はオーク胸部に止めを刺す。

 仕留めた後は右側のオークに向い、全身痙攣けいれんを起こしている、右側のオーク胸を目掛けて剣を突き刺す!


「ギャ、ギャ、ギャオォォンン~~」


「~~~♪」


 コハル一切戦闘には参加せず、俺たち三人の戦闘を見ていた。

 オーク二体を倒した事を確信したと見た、リンとアスは俺の側に近付いて来る。


「やりましたね、スズヤ!」


「見事でした、スズヤさん!!」


「いや、リンとアスの連携のお陰だよ。ありがとう!」

「特に、俺がダメージを喰らった直後のスイスイはナイスだったぞリン!!」


「いや~~。あれは痛そうでしたもん///」

「石斧なんて切るより、削り取るですからね///」


 リンとアスは尊敬の眼差しで俺に話す。俺は和やかな表情で二人にお礼を言う。

 リンは俺の褒め言葉で、嬉し恥ずかしそうな表情で俺に話す。 


 コハルも何時の間にか、俺たち三人の側に来て笑顔で話し始める。


「ずいぶん成長したね。三人とも♪」

「たった一週間で此処までの成長を遂げるとは、私は凄く嬉しいよ!」


「オーク二体で苦戦していたら、この場で今日の探索を打ち切ろうと思っていたけど、そん心配も必要ないね!♪」


 ……


 コハルからの褒め言葉の後。

 俺たちは鉱床内に入る。


 坑道内は当然暗闇なので、リンが澄ました表情で『ワットブライト』を唱える。


「ワットブライト」


『ぽわーん』


 すると……リンの目の前に、大きな光球が出現する。

 前世界で見た、白熱電球見たいな光り方をしており、明るさも100W級の明るさが有るだろう?


「これで今回は、私は楽ちんだ♪」

「リンも優秀な白魔法使いだ!♪」


「~~~///」


 コハルは相変わらずの笑顔で言う。

 コハルの言葉を聞いて、嬉し恥ずかしがっているリン。


 今日のコハルは笑顔だ?

 光球を最前線に出して、俺たちは二回目の鉱床探索を始めだした。


 今日の予定をコハルは全然言わないが、何処まで探索をするのだろうか?

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