第28話 今後の課題……

『パチ、パチ、―――♪』


『パチ、パチ、―――♪』


 俺たち三人は教会の礼拝堂に戻った時。

 養護施設の子どもたちから、笑顔と盛大な拍手を貰う。


『さすが、アス先生!♪』


『先生たちなら、ゴブリンを倒してくれると思っていた♪』


『俺も将来。先生の様に頼れる男を目指すぞ!♪』


 そんな言葉を聞きながら、俺たち三人は祭壇の方に向う。

 一足先に戻っていた神父は、祭壇にいる。


 シスターは子どもたち中に居る。

 俺たち三人は祭壇に横並び並んで、俺が代表で神父に、真面目な表情で話し始める。


「神父!」

「迫り来るゴブリン二体を退治し、無事に教会を守り抜く事が出来ました!!」


「そして……この剣をお返しします!」

「ありがとうございました!!」


 俺は言葉の後。貸与されていた鋼の剣を神父に返す。

 神父も真面目な表情で、俺に話し始める。


「本当にご苦労で有った!」

「スズヤ、リン、アス!」


「あなたたち三人のお陰で、パプテトロン教会は守られた!」

「……本来なら、何か褒美を出さないと行けないのだが、此処は教会だから勘弁して欲しい…」


「だが、神父で出来る範囲なら、三人の望みを一つずつ叶えてやろう!」


「……」


「……」


「……」


 神父の言葉を聞いた、俺たち三人はキョトンとする。

 行き成り言われても、そんな願いなんて考えていない。


 だが、神父は穏やかな表情に成って、俺たち三人に言葉を続ける。


「別に、今すぐでは無くても構わないよ!」

「じっくり考えてから、私に申してくれれば良い!!」


「本当にありがとう。三人たち!」

「三人たちのお陰で魔物の手から、パプテトロン教会は守る事が出来た!!」


 この後。子どもたちから再び、盛大な拍手と声援を貰った!


 ☆


 実質。アスが倒したゴブリン二体の処理は、また神父たちに任せて、子どもたちは教会から養護施設に戻り、俺たち三人も解散の流れに成ると思っていたが……リンが、俺とアスに向けて穏やかな表情で話し掛けてくる。


「スズヤさん。アスちゃん!」

「もしよろしければ、お茶でもしませんか?」


「私……家から持って来ました。お気に入りの紅茶葉が有るのです!」

「場所はが沸かせる関係で、厨房に成ってしまいますが///」


「私は大丈夫ですよ。リン先生!」

「お茶をいただきます!!」


 アスは和やかな表情で返事をする。

 俺も、飲み物が飲みたい気分で有ったから、リンに二つ返事をする。


 ……


 厨房の竈は、種火の状態にして有るので、直ぐに火を起こせる。

 俺が、お湯を沸かす係と成ったので、お湯を沸かし始める。


 リンやアスは作業台をテーブル代わりにして、紅茶の準備を進めていく。

 お茶菓子なんて無いから、紅茶だけに成るだろう。


「~~~♪」


 リンは笑顔で、ブリキ缶から紅茶葉を出している。

 それを見ていたアスが、嬉しそうな表情でリンに話し掛ける。


「私。紅茶を飲むのは本当に久しぶりです♪」

「紅茶なんて、クリスマスの時以外は出ませんから!」


「アスちゃん!」

「この紅茶は、特に美味しいですよ!!」


 リンは笑顔でアスに話す。

 この世界での紅茶は、高価な飲み物と成るらしい。


 前世界では紅茶なんて、ペットボトルで安売りされていたのに……でも、昔は高価だったらしいな///

 お湯も沸いて、リンが紅茶を入れて、お茶の準備も出来る。


 三人は椅子に座って、早速。紅茶を飲み始める。


『ズズッ…』


『ズズッ…』


『ズズッ…』


 紅茶を一口飲んだアスが、笑顔でリンに話し始める。


「凄く美味しいです、リン先生!」

「こんな美味しい紅茶。初めて飲みました!♪」


「そう言われると嬉しいです。アスちゃん♪」

「私のお気に入りの紅茶です!」


 リンも笑顔でアスに話している。

 俺も飲んだが、香りが良い紅茶で有る。


 すると、リンが本題を切り出す様に、少し真面目な表情で、俺とリンに向けて話し始める。


「あの……さっきの戦闘の事ですけど……今後。三人で動く事も多くなると感じていますけど、今の段階では力不足だと私は感じています…」


「……それは、俺も感じていた。リン!」

「神父から鋼の剣を借りたが、ゴブリンに避けられるわ、ゴブリンの一撃で大ダメージは喰らうで……俺は全く駄目だった///」


 俺はバツの悪い表情でリンに話す。

 アスも困った表情で、俺とリンに向けて話し始める。


「私も……黒魔法は使えますが、王国軍の黒魔法使い隊の様に連続攻撃や、複数回を打てる魔力はまだ持ててません///」

「今回はアレで済みましたけど、三体以上の魔物が同時に現われた時は、私は魔力切れを起こすでしょう……」


(魔力切れ…? ゲームの世界で言えば、MPの事に成るか?)

(マホトットはあくまで、魔法を増幅させる物だからな……)


 マホトットを装着しなければ魔法は使えないが、マホトット自体が魔法を発動させているのでは無い。

 人間が持っている僅かな魔力を、マホトットが増幅させて、魔法を作り出している。


 簡単に言えば、パワー半導体ど同じだ。

 なので、魔力を保てない人(遺伝)や、魔力を作り出す力が弱い人(素質)が、マホトットを装着しても何の意味が無い!


 パワー半導体も入力信号(電気)が無ければ、何も起きないと同じで有る。

 すると、リンは和やかな表情で、俺とリンに向けて話し始める。


「ねぇ、スズヤさんにアスちゃん!」

「私たち、もっと強くなりませんか?♪」


「私とアスちゃんは、王国城で魔法訓練を受けて、スズヤさんも剣術の達人の元で修行を受けて強くなるのです!」

「そうすれば……ゴブリンは疎か、魔王も倒せるかも知れないですよ!!」


「…………(汗)」


「…………(汗)」


 俺とアスは、苦笑いの表情でリンの話を聞いている。

 リンは意外に夢を語るな!///

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