第12話:実は「第二王女」。

今の二人はとりあえずラブラブ?な感じみたいだけど、ミンクの性格から

してまだ微妙な感じ。


ミンクが望めハジメは本当にミンクの星、第10惑星4771-1002、セーブルに

養子に行くつもりでいた。


ミンクの両親に挨拶する文言まで文章にして考えたりしていた。


さて、当のミンクだけど彼女は自分のことを 「第10星雲4771-1002、

セーブル」の王女だって言ってたが・・・正確には第二王女なんだな。


実はミンクには双子のお姉ちゃんがいて、名前を「シルク」って言う。

ミンクが自分の自己紹介をした時にお姉ちゃんの名前も出てきたんだけど

覚えているだろうか?

お姉ちゃんがいるってことは、お姉ちゃんが第一王女になるわけだ。


お姉ちゃんも、当然ミンクと同じで強い。

この星の女性は男性より強いみたいですね。

ふたりは子供の頃の姉妹ゲンカの末に自分たちの星の衛星をひとつ破壊している。


ミンクはケーリュケイオンのワンド「杖」を持ってるが、シルクはアスクレピオスと言う名のワンドを持っていてミンクの攻撃系のワンドに対してアスクレピオスは

治癒系、 ヒーリング系に特化していて人の寿命を自由に操ることもできた。

持ち主の能力にもよるが、死者を蘇らせる力があるとも言われている。


シルクはゆくゆくは、女王になって行く運命だが ミンクは後継者から外れ

てるから、まあ自由人、あるいはプー太郎。

自由気ままに生きていけるので、このまま地球でハジメと楽しくやって行く

かもしれない。


だけど、ひとつ問題があって、ハジメは普通に歳を取って行くが、ミンクは

ほぼ歳は取らない。

ミンクの現在の歳は1017歳と言うことになっている。

だから、ハジメよりはるかに歳上けど、ハジメがよぼよぼのじいさんになっても

ミンクは若いままのピチピチギャルのまま。

当然、ハジメのほうがあの世に先に逝くわけだけど、もっとも人間だって結婚

するとどちらかが先に逝くからね。


夫婦同時にあの世に行ける確率はかなり低いけど、もし夫婦同時にあの世に逝けたなら、それは愛し合ってる夫婦にとっては最良の幸せ、奇跡と言えるだろう。


だから、まあ、ハジメがあの世に逝ったらミンクはまた新しい場所で 新しい友達をや彼氏を作るんだと思うが・・・それが彼女の思惑と運命次第。


そこでミンクは考えた。

ハジメを自分の星に連れて行って、お姐ちゃんに頼んでアスクレピオスを使って

ハジメの寿命を調整してもらおうと・・・ミンクが歳を取るのと並行してハジメの

寿命も早く歳をとらないようにしてもらう。

とてもいい考えだと思った。


で結局、ふたりはどうなったかって言うと、ハジメはミンクより早く死にたくない

から、一も二もなくミンクの星、第10惑星4771-1002、セーブルに行くことを選んだ。

まあ、当ちゃんと母ちゃんは寂しがったが、ふたりの将来を優先した。

ハジメはミンクのUFOに乗って宇宙へ旅立った。


ハジメが苦労して書いたミンクの両親への挨拶分は大いに役に立った。

ミンクの両親はハジメの真面目な性格を評価して、受け入れてくれた。

で、ミンクの願い通りシルクは年に一度ミンクの部屋にやってきてアスクレピオス

で、ハジメの寿命を調整した。


これでハジメはミンクより早くあの世へ行くことはなくなった。


ハジメもまさか地球にやって来た異星人とラブな関係になるなんて思いも

しなかったし、ミンクも地球の男とラブな関係になるなんて思ってもみなかった。


ハジメは相変わらずミンクにバカハジメってからかわれながら、それでも

幸せを感じていた。

その後もふたりはラブラブで、喧嘩をすることもなく別れることもなく

ミンクは宇宙の神と言われるベゴニアピコティの名の下に宇宙の平和を守っていた。


ところでミンクの部屋のベランダはハジメんちの家のベランダより豪華で

広い。


「広いな、このベランダ・・・野球やサッカーができそう・・・」


「これだけ広かったらハジメちゃんのウイルスが移る心配しなくていいでしょ?」


「何度も言うけど、僕は病気なんか持ってないよ」

「それに僕たちがくっついてたらいくらベランダが広くても意味ないし・・・」


「冗談ですバカハジメ」

「ハジメちゃんは?・・・私のこと愛してる?」


「もちろん愛してるよ」


「ハジメちゃんの気持ちが大事ですからね・・・私にはね」


「こう言う充実した時間を共有するのが恋人同士って言うんだろ?」


「そうですね・・・恋人同士・・・恋人っていい響き・・・」


「じゃ〜さ・・・改めてチュー・・・とかしていい?」


「ウイルスが移るから嫌です」


「ないって言ってるだろ?・・・いつまでもしつこいよ」

「今、恋人って言ったじゃん」


「じゃ~100回歯磨いてきたら、チューさせてあげてもいいですよ?」

「あとお風呂に入って体洗って綺麗にしてきたらハグもさせてあげます」


「ハグはまあいいとして・・・」

「歯磨き、ひゃっかいって?・・・百回はちょっとな・・・」

「せめて半分の50回にしてくれないか?」


「バカハジメ・・・本気にして・・・」


「あれ、これってデジャヴじゃないか?」

「僕たち同じこと繰り返してないか?」


「このベランダは楽しいかったことを思い出させてくれるベランダなの」

「へ〜そうなんだ・・・だったら楽しいことしよいよ」


「そうだね・・・いいよ、チューして・・・ハグも・・・」


「まじで?」


「10秒あげる・・・」

「私の気が変わらないうちにしたほうがいいと思いますけど・・・」


「じゃ〜早くしないと・・・」


今の二人はとりあえずラブラブ?な感じみたいだけど、その関係が長く

続くといいね。


ミンクに負けたスロロベリーは懲りもせず、地球以外の星を手に入れようと

また侵略を企んでいた。

懲りないやつってのは反省も後悔もしない。


まあ世界や宇宙はいいヤツと悪いヤツがいてバランスが取れてるんだろう。

どんなものや事柄に表と裏があるように・・・。


おしまい。








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ファンンタスティック・ミンク。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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