第5話:バカザクロ。
「ねえねえ、バカザクロ、ポンコツUFOから顔出しなさい?」
外から、なにやら大声で自分の名前を呼んでるやつがいると思ったザクロは
UFOの窓を開けて下を見た。
するとそこに、どこかで見たことある女の子が手を振っていた。
「お〜い・・・バカザクロ、こっちこっち、こっちです」
「んん?・・・あれは?」
「ゲゲッあいつは・・・ミンク?」
「なんで、ミンクが地球にいるんだよ」
「あいつがいたら地球侵略どころじゃないぞ」
「あいつと戦ったりしたら地球まるごと破壊しかねないからな」
「降りて来なさいよ、バカザクロ・・・」
「バカバカ言うな、バカミンク」
「バカにバカって言ってなにが悪いんですか?」
「くそ〜あいつとは戦いたくないな・・・絶対負けるからな・・・」
「一旦、引くか・・・」
ミンクにビビったザクロは、とっとと逃げ帰ってストロベリーに報告した。
「モニターで様子を見ておったわ、バカめが」
「ミンクごときで、すごすご引き上げてきおって・・・情けない」
「あの女にビビって引き返したとあっては私の沽券に関わる」
「でも相手は宇宙一強くてしかも敵には回したくないセーブル星の姫ですよ」
「あいつのせいでわが軍が全滅する前にストロベリー様にお伺いを立てようと
思いまして・・・」
「今ある数だけでは、とても太刀打ちできないかと・・・」
「くそミンクめ、なんでまた地球なんかにいるんだ」
「気まぐれな女ですから・・・しばらく様子を見ていなくなったところで、
再侵略と言うのはいかがでしょう?」
「まどろっこしい・・・そんなことしてたら拉致があかん」
「私の前進を止めるやつは何者であろうと排除するのみ 」
「私、自ら地球へ降りるぞ」
「え、大いなるスロトロベリー様じきじきに・・?」
「手こずるようなら地球ごと破壊してくれるわ」
「こんな星のひとつやふたつ銀河にいくらでも散らばっておるからな」
その頃地球では・・・
「ね、戦わないで、すごすご引き上げていったでしょ」
「そのうち親玉のストロベリーが、痺れを切らして出て来ますから」
「大丈夫なの?勝てるの? 」
「勝てるけど、戦ったら甚大な被害が出ますね」
「都市の一部は消えて無くなるかもしれませんよ」
「うそ、そんな呑気な・・・まずいじゃん」
その頃、警察や自衛隊が出動して一般市民を避難させていた。
敵が先制攻撃しないかぎり自衛隊は手が出せなかった。
「ハジメさんあは私が守りますからね」
「守るって?」
「だって、私のカレシなんでしょ?」
「そうそう彼氏、彼氏」
「でも、できたら戦わない方向でお願いできたらいいんだけど」
「それは向こうの出方次第でしょうか」
「相手は淫乱おば様ですから・・・平和な解決は望めないと思いますよ」
「まあ、懲らしめてあげないと引き上げないでしょうけど」
「来たみたいですよハジメさん・・・」
「え?見えないけど・・・どこどこ?」
「ほらあそこ」
ハジメにはミンクが指差した場所に何も見えなかった。
「私ね、視力が半端なくいいですから・・・」
「視覚も、聴覚も、臭覚の犬の何十倍もあるんです」
「普段はノーマルな状態にしてますけど・・・普段からそん能力使ってたら
見えすぎるわ、聞こえずぎるわ、臭すぎるわで、たまったもんじゃありませんからね」
「君ってすごいんだね」
「まじで、君って何者?・・・って聞くの二度目だけど・・・」
つづく。
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