無神世界のフィロソフィア ~一度は人生を諦めた僕が哲学者たちの異能力バトルに巻き込まれた話~

伊藤智イ

第0話 Overture


 哲学とはなんだ。哲学とは正義だ。

「それでも私は、お前を許さないッ……!」


 哲学とはなんだ。哲学とは義務だ。

「オジサンだって、やるときはやるんだぜ」


 哲学とはなんだ。哲学とはトラウマだ。

「些細なことだってのは、わかってんだけどさ」


 哲学とはなんだ。哲学とは想像だ。

「任務完了っすね。帰りましょー」


 哲学とはなんだ。哲学とは愛だ。

「時は来た、ってところかな」


 哲学とはなんだ。哲学とは……。

「あ……、レポートの提出期限、昨日までだったか……」




 約七十年前、突如現れた『ニーチェ』を自称する人物が起こした『神殺し』によって、世界は一変した。ニーチェと同じように、人間でありながら、人ならざる力を手に入れた人物が多数出現しだしたのだ。

 ある人は畏怖を、ある人は憧憬をこめて、彼らをこう呼ぶ。

『哲学者』と。


 これは、自らもその超常的な力を手にし、それぞれの葛藤を抱えながらも、悪しき哲学者たちに立ち向かう者達の物語。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る