第7話「それだけ」

まぁそもそも

楽観的だとか

俯瞰的だとか

それはどうだっていい

用は生きることに

何を抱こうが

時間は平等に経つ

ならば、せいぜい

自分本位でいい


他人のやっかみに

付き合う暇など

精神を浪費するだけだ

ならば甘い道を行けばいい


端的に素直になればいい

策を弄してまで

昇華する必要などない


時代は流れる

時は流れる

だから散るまで

それまでもうとう欲しからず

無知で無欲に

怠惰で粗雑で雑多でいい


生きているなど

思うから

無駄に脂肪がつく


だから努力も真面目さもいらない

ただ寝るように

死んだように


口を開け

息を取り込み

吐くだけでいい


もう人生など期待するだけ

損した気分になるのだから

だから何も抱かず生きればいい


それでいいんだ


君は君を全うする必要はない

君はもう死に向かうだけでいい


僕もそうして生きていく

さすればさほど痛まないと思う


だからただ時間を捨ててでも生きていろ


それだけさ

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