信仰

Grisly

信仰

小さな神社を1人で守っているお爺さんがいた

毎朝、掃除を欠かさず、お供え物をして、

お祈りするのだ。


通りかかったスーツ姿の若い男。

「何を馬鹿馬鹿しいことをやっているのだ。

 この科学文明の時代に。

 信仰なんてなんの価値もない。

 

 貴重な時間を無駄にした。

 急いで電車に乗らなくては。」


彼の言っていることは

正しいのかもしれないが、

一つだけ間違っている。


人間は何かを信じるからこそ

生きていけるのだ。

希望や、期待、明日の計画、

投資、金、ビジネス、仕事、時間さえも。

彼の乗る電車もそれによって成り立っている



そういう意味では、

彼の言う

科学文明もまた、

信仰と言えるだろう。

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信仰 Grisly @grisly

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