第3話


今日も新井たちにいじめられた。

いつものことだけどつらい。

またお弁当の中身を床に落とされて、こんなこともう嫌になってくる。


家に帰ってお風呂に入る。泥水をかけられたせいで体が冷えてしまった。

寒い。風邪をひいたかもしれない。

私はそこまで体が強くない、だからストレスで熱が出ることも多い。

でもお母さんに迷惑かけたくないし学校に行くしかない。


ピピッ


37.4℃か。ぎりぎり学校に行ける。

夜38.6℃の熱が出て、解熱剤を飲んだからすこし熱はひいたみたいだ。

ご飯を食べ終わり、すぐに学校に行ける準備をして家を出る。


「いってきます。」


誰もいない家に挨拶をしてから学校に行く。


「今日も地味だな。前髪で顔を隠してブスだから仕方ないな。」


学校に到着し昇降口に入るとまた新井グループに悪口を言われる。

ここはスルーしないとまた面倒くさいことになる。

そして上靴を取ろうとして違和感に気づいた。


上靴がない。


「何上靴ないんだ〜ダッサ〜」


これは隠されたか捨てられたのどちらかだろう。

前はゴミ箱に入っているのを発見したときに


「ゴミを漁るとかアンタにすごく似合ってるわ−」


って言われたけど今回はどういうことだろう。

とにかく遅刻してしまうので職員室に行ってスリッパを貸してもらう。


「失礼します。上靴を忘れたので貸してもらってもいいですか。」


「またですか。今度は忘れないようにしてください。」


またって言われるのも無理はないけど辛い。

かなり私は新井達に所有物を取られたり、捨てられたりしている。

とにかく教室に入らないと。


まだクラスメイトは喋っていてうるさい。

席につくとまた新井が話しかけてきた。


「スリッパとかダサ、忘れ物癖が酷いですね〜。」


誰のせいだと思っているんだろう。

でも証拠もないし、クラスの中心にいる人物に逆らったらまたいじめがエスカレートする。


「なんか反応しろよ。」


「お前らー早く席につけ。」


いいところに先生が来て難を逃れることができた。

舌打ちしてるから今日はまたされるかもしれない。


「今日からこの学校に来た転校生を紹介する。」


泉琴羽いずみことはです。よろしくお願いします。」



この時はあんなことになるとは思っていなかった。

泉琴羽。私のすべてを変えてくれた人だ。




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桜舞い散る湖で君とまた出会いたい yume @rindalove1102

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