第3話

目が覚めると、そこは見知らぬ天井だった


(、、、ここは、、どこだ)


仰向けの体制から半身を起こす


今の状況について考える


(何が起きている?今日は廃工場で、ユウトとリクヤと、、、あ、)


瞬間、思い出す


吹き飛んだ生首、飛び散る血しぶき、肉片


「う”っ、う”ぉえ”っっ」


脳裏に鮮明に映し出されるそれらにたまらず嘔吐する



「やっと起きたか」

男の声


首を動かして声のした方向へと目をやる


「シノノメ隊長?」


テレビや新聞で毎日のようにみる顔がそこにはあった




「シノノメ中将がどうして、、」


「俺はあの工場死体といっしょに倒れていたお前を保護したんだ。


色々聞きたいことがあるだろ、なんでも聞いてみろ」


優しい口調でこちらに問いかける


「、、、ここはどこですか」


「ここはだな、超機本部の医療室だ。おまえには目立った外傷はなかったが念の為、な」


「そう、ですか」


すこし間を開けた後にキキョウが口を開く


「、、、僕以外に生存者はいたんですか?」


「いない。


おれが到着したときには全員息絶えていた」



生存者は俺以外いない

全てはこの目で見た


だが、人の死があんな軽くあっていいはずがない

人の命があんなにあっさり終わっていいはずがない


その事実を受けいられないでいたときだった


「よーし、じゃあこっちの番だ。いいか、今から俺はお前にいくつか質問するが、すべてに嘘偽りなく答えろよ」


「、、、はい」


「まずは、君の名前を教えてくれ」


「白井 桔梗です」


「君はあの場で何をしていたんだい?」


一瞬ためらったが、すべてを話す


「んー、きみたちは能力者を捕まえようとしたけど失敗して友達2人は死亡、きみは生き残ったと」


シノノメ中将の隣にはスーツを着た女の人がおりpcに俺の発言をすべて記録している


「つまり、きみは超機側の人間であり、2人が死んだのは君等のずさんな計画が招いた、ということでいいな?」


まったくもってその通りだ。


「、、はい。僕らの能力者に対する認識が甘かったことが原因でこんなことになりました」


その言葉を聞いたシノノメ隊長が、


「この映像をみてくれ」


というと、天井からモニターがあらわれ映像が映し出される


その映像には、炎を手から出してビェントと戦う自分の姿が写っていた


「こ、これは?」


「見たまんまだ。俺があの廃工場についたとき、

おまえは炎の能力を使ってビェントと戦って奴らを撤退させていた」


おれが、、能力者?


「まぁ、おまえが能力者だというのはもうバレてんだ。」


と言ってシノノメ隊長は腰にさしている剣を抜く


「おまえを殺す」


唐突なその言葉に心臓が跳ね上がるほど驚いた


「ま、待ってください!!僕は能力者じゃない!能力者なんかになるはずがない!!」


「おまえは能力者だ。おまえが能力を使っているところは俺が肉眼で見ている」


「僕はアリエルとは繋がってなんかない!!信じてください!!」


心臓の音が激しくなって行くのが手にとるようにわかる


互いの息の音だけが聞こえる時間過ぎてゆく


どのぐらいたった?

時間の流れるが遅く感じる





「だーってよ?どうする小野寺おのでら


シノノメ隊長は部屋の角に設置されているカメラに問いかける


『あんたはどう思ったのよサクヤ』


スピーカを通して返事が返ってくる



「俺は白と見た。俺が剣を出しても反撃しないどころか自分は能力者じゃないって言ってんだぜ?」


と、返すシノノメ隊長


『そうね、私も同感よ』

「ふーん、ちなみに理由は?」

『直感よ』


本来ならあしらわれるであろう回答だが、

「なら間違いねぇな」

といってシノノメ隊長はニヤリと笑みをうかべた




2人の会話に追いつけない


シノノメ隊長はこちらに振り返り、

「すまなかったな。おまえを試していたんだ」

「じゃあ、僕は」


「あぁ、殺さない。おまえは友達の分まで生きろ」

その後に、俺は最初から疑ってなかったけどな、

と笑っていう


安心から胸をなでおろす


「とはいえ、疑いが完全になくなったわけじゃない。したがって我々の監視下にはいってもらうことになる。」


シノノメ隊長は続ける


「ということでキキョウおまえにはこれから超機として俺と共に行動してもらう。行動でその疑惑を晴らせ。いいな?」


「は、はい!!」


「と、いうことでキキョウ、これから暮らす家へと向かおう。ついてこい」


といわれ外へと連れ出された



超機から近いらしいので徒歩で向かうことになった


これから暮らすとこについて何も聞いていなかったので聞いてみることにした


「どんなところなんですか?」


するとシノノメ隊長は思い出したかのように、

「あぁ、いってなかったっけ?俺の家だよ。」

とアッサリ


「もう着くぞ」


2階建ての一戸建てで、

特段広いわけでもない至って普通の家だった


「あ、もう一個言ってないことがあった。うちには俺等以外にもう一人住居人がいるんだよ」


といいながらドアノブに手をかける


(もう一人?あれそういえばシノノメ隊長といえば、、、)


と考えている間にドアが開く

「おかえりーー!!」


奥の方からドタドタという足音と共に、女性の声が聞こえる


奥から見知った顔がでてきた


「「あ」」


声が重なる


「紹介しよう。俺の自慢の娘の東雲 杏奈だ」



ここから2人の物語は始まるのだった

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