ロストバージン

 やっぱり、女の子でもこういう話題にはなる。

姉は、レイちゃんやショウくんやロンドンの他の仲間達は、みんなセックスの話ばかりだと呆れていたが、女の子だって、こういう話は嫌いじゃない。


 ましてや、私たち姉妹は、母から、女として成長していくことで虐待を受けていた。

2人とも、セックスなんて、やってはいけないことだと思っていた。


友達とすら、そういう話をしたことがなかった私たちは、自分が正しいのかとか確認しようもなかった。



「果穂ちゃんって、ロストバージンいつ?」


「私は遅いよ!22歳の時」


「あ!同じ」


意外だ。


「相手は、コースケってこと?」


「そうだよ」


「それまで、付き合ってた人はいなかったの?」


「いたけど、セックスに踏み切れない私をふって違う人に走った」


「そうなんだ!そういうものなの?」


「わからないけど」


「てことは、コースケとはヤッてもいいって思えたんだ。」


「そんなつもりはないけど、成り行きだよ」


「私は付き合ったこともないからなー」


「お姉ちゃんこそ、付き合ったこともないのに、どうしてロストバージンしちゃったの?」


「飲みすぎて覚えてないわ」


やっぱり、参考にはならなかった。


「フランスのライブの後の打ち上げで、話しかけられたフランス人のうちの誰かだとは思うんだけど」


「顔も名前も覚えてないの?」


「うん!何かされてるってことだけしか覚えてない」


「それって、デートレイプじゃない!」


「でも、私、その人の背中に腕回してたし」


「初体験から終わってるね!」


「初めてがこれだから、もうどうでもよくなっちゃった」 



「ねぇ、最初から気持ち良かった?」


「まあ、たしかにね!

慣れてきたら、多少はって感じ」


「果穂ちゃん!多少はなの?

ダメだよ!ちゃんとイカないと!」


「でも、そういうことってない?」


「どうせヤルなら、イカないと損じゃん!

ガンガン行かなきゃ!」


「浩輔くんが下手なのかなー?」


「果穂ちゃん、そこは自分からもっていかないとダメだよ!」


「もっていくって・・・」


「マグロじゃ、ダメってこと」


「随分お詳しいようで!」


ちょっと嫌味を言ってみる。



「私は、マダムに教えてもらった」


「え!マダム?・・アダム?」


「40歳位のセクシーマダム」


「女の人?」


「うん!初めてイカせてくれたのは、女の人。色々教えてもらったよ」


「マダムはレズビアン?」


「バイセクシャルだよ。

男の人と結婚して、子供もいたもの」


「浮気ってこと?」


「旦那さん公認なんだって」


「なんだかなー」

「ってことは、お姉ちゃんもバイセクシャルってことだよね」


「何人か女の人にものめりこんだけど、基本ストレートだと思うよ。

私だって、同じ年頃の男の子と恋愛してセックスしてっていう願望あるもん」


「ところで、お姉ちゃんって、何人位とヤッたの?」


「数えてないから、わからない」


「数えられないってこと?」


「そこまでじゃないよ。50はいってない」


「十分百戦錬磨だよ!」



「今度、果穂ちゃんにもイキ方教えてあげようか!」


そういって、顔を近づけてくる姉にドキドキしてしまう私って。








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