コンプライアンスは正義か

プロパー社員から監査役になった人は、不正を隠すほうに振れるでしょうし、また、社外監査役では、華麗な経歴に傷がつくので無理はしないでしょうね。そういう意味では本書に登場した監査役がコンプライアンスの番人として、打って付けだったのはないでしょうか。立ち位置によって正義は変わります。社長派には社長派の正義があり、反社長派には反社長派の正義があります。そういう面で、オーナー企業の経営監査を第三者目線で行うことの難しさを感じさせる作品でした。