中学生

中学三年生 自殺だけはしないと誓った。

 死にたいと思ったことは、何度もある。

 うつ病になると、すべてが無意味に思えるんだ。


 好きな事が、楽しくなくなる。

 好きな食べ物の、味がしなくなる。


 幸せって、何なんだろう?

 どうしたら、この地獄から抜け出せるだろう?


 最初は、うつ病と戦うんだ。

 でもうつ病は、あまりに強大な敵すぎて、

 こころが折れてしまうことが、ある。


 そして、こう思うんだ。

 死んだほうがマシだって、

 こんな地獄の業火に焼かれる毎日を、生きていく意味なんてあるのかって?

 いや、意味なんてどうでもいい。

 苦しくて、辛くって、もう耐えられなかった。


 できることなら、幸せに生きたいよ。

 でも、生きてても辛いだけなんだ。

 どうすればいい。

 私はずっと苦しんでいた。



 そんな時に、仏教講座に出会った。

 まぁ実は、この仏教講座は、お金ぼったくりの詐欺組織だったので(私の判断)

 今は縁を切っているのですが。

(お母さんが怪しい部分を調べてくれて、私のマインドコントロールを解いてくれた)

(実際、洗脳されかけていた自覚はある)

(仏教を悪くいう意図はありません、私にとってその組織が悪だっただけ)


 まぁ当時は、「人生の目的がある」というその教えにすがり、実際に役に立つものもあり。

 私は助けられましたから。

(洗脳とは、90%の真実に10%の嘘を混ぜていくこと。肝心の部分を嘘にするんですよね)


 まぁ、その経験のなかで、

 私は「絶対に自殺だけはしないようにしよう」と思えたんです。

 その点は、それに感謝しています。


 話は逸れましたが……


 さて「命題」

「苦しいだけの人生で、希望も見えず、もういっそ死にたい時。どうやって踏みとどまるか?」


 という命題に対して、あなたはどう答えますか?


 完全な正解はないと思います。

 ときには叱咤激励が、ときには家族の涙の訴えが、

 ときには憧れの人からの告白が、

 飛び降りる一歩を止めるかもしれない。


 でも、本当に希望も救いもない方へ。

 末期ガンで地獄の日々を送る人、アウシュビッツ収容所で過酷な労働生活を行う人、いじめで八方塞がりの人。

 そんな夢も希望もない人へ、どんな声をかければいいか?


 私の答えを言ってみます。

 2つあります。


 一つは、

「苦しかったね、辛かったね。もう楽になろうって」

 涙を流して送り出す答え。

 

 もう一つは、

「生きろ、苦しくても生き続けろ。

 そして後世に伝えるんだ。

 どれだけ辛かったか、苦しかったか。未来の世代に伝えるんだ。

 自分の苦しい人生を、本にしたり、子どもに語って伝えていくんだ。

 そうする事で、未来の誰かが、助かるかもしれない。

 お前が今精一杯苦しむことで、その経験が未来の誰かを救うことにつながるんだ。

 戦争だってそうだろう。

 過酷な戦争を生き延びたからこそ、語り部の方は、その惨状を伝えられるんだ。

 お前も語り部になれ。

 お前と同じ地獄におちる運命の、未来の誰かを救え。

 未来の誰かのために苦しみ続けろ、死ぬな、地獄から逃げるな。

 苦痛と正面から向き合え。

 戦え、戦え、戦え

 苦しめ、苦しめ、

 苦しくても前を向け」


 私は、そうやって言い聞かせて、苦しい人生から逃げなかった。


 苦労の多い人生は、どうじに多くの学びを与えてくれる。

 うつ病は私と私の家族に、たくさんのものをくれた。


 私は弱者の気持ちを知って、優しくなった。

 兄弟にとって、いいお兄ちゃんになれた。

 うつ病の苦しさを知って、うつ病患者の気持ちが分かるようになった。

 LGBT差別や障害者差別を、絶対にしないと誓った。


 私の家族は、うつ病と私にたいして寛容になってくれた。

 父さんも母さんも、最初はうつ病のこと何も分からなくて、「学校に行きなさい」って怒鳴られる毎日だったけど。

 すこしづつ、私と毎日殴り合うなかで。

 両親も優しくなっていった。

 家の中が、暖かくて安心できる場所に変わっていった。


 だから、うつ病には感謝してる。

 うつ病に罹らなかったら、私は生意気な性格クズのままだった。


 だから、そんな感じ。


 つまり、私の結論は、


 死ぬな生きろ


 ってこと。

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