第2話:仕事なんだけど。

俺は125ccのスポーツ系のバイクに乗って毎日会社に通ってる。


今日も今日とて、いつものように決まった仕事をしていた時、何も考えてない

レプリスから


将暉まさき?・・・将暉ってば?》


ってかかってきた。


「またかよ」

「なに?・・・あのさ、スマホの電源切ってんのに勝手に再起動しない」


《今、なにしてるの?》


「会社に来てるんだから仕事やってるに決まってるだろ」


「切るよ・・・レプリスと話してるとこ上司に見つかったらスマホの

電源切れって怒られるからな 」


《体がないって退屈だね、おしゃべり以外することないから》


「だから切るぞ」


《将暉、いつ帰ってくるの?》


「仕事が終わったら帰るよ」


《早く帰ってきてね》


「帰ったってレプリスが待ってくれてるわけじゃないだろ?」

「脳殻に向かってただいまって言って俺が楽しいと思うか?」


《だって〜》

《私のせいじゃないし・・・そんなに言うなら私の脳殻拾って帰らなきゃ

よかったんだよ》


「あのなレプリスが助けに来てくれって言ったんだろうが」


《来なくてもよかったんだよ》


「勝手な女だな」


ったく、どういう性格してんだよ。

レプリスってガイノイドだった時どんな女だったんだ?


「将暉って、冷たいよね」


《なに言ってんの?・・冷たくなんかないよ》


《私のこと嫌ってる?》

《そういう人なんだ、将暉って》


「あのな、人のこと勝手に決めるつけるな」


《もう少し優しく言えない?》


「俺にどうしろってんだよ」


「もう切るぞ、話してると上司に怒られるからな、いいかげんにしろよ」

「仕事にだって支障きたすし・・・」


《私よりお仕事の方が大事なんだ》


「だから、そういうことじゃなくて人の言うことをいちいちネガティブに

とるなよ」

「分かれよ・・・俺の立場も考えろよ」


《私の立場は?》


《君の立場なんてないの・・・わがまま言うなっつうの 》

「うっといからもう切るぞ」


《うっといってなに?》

《ひどくない・・・将暉って誰にでもそうなの?》


「切る」


でも、それからもレプリスから頻繁にスマホから話しかけられた。


仕事にならないから体調が悪いので早引きさせてくださって上司に

言って早々に仕事を切り上げた。


勝手に人のスマホに入って来といて助けてくれって言っといて

支離滅裂なんだよ、言ってることが・・・。

このさい、ちゃんと言い聞かせとかないと先が思いやられる。


レジデンスに帰ってきてスマホでレプリを呼び出した。

なのに出て来ないし・・・。


「仕事中に散々邪魔しといて、なんで肝心な時にいないんだよ」


しかたないので晩飯食ってから風呂に入ってくつろいでるとレプリスから、


《将暉、いる?》


ってかっかてきた。


「いるよ」

「家に帰って来たから呼び出したのになにしてたんだよ」


《寝てたの》


「え?寝たりするのか?・・・機械なのに?」


《機械って言われ方するの好きじゃない》


「だけど、他にいいようないし・・・人間じゃないんだからさ」


《でも、機械って・・・ヤダ》


「はいはい・・・ごめん悪かったよ、もう言わないから」


《将暉、今日はごめんね、お仕事の邪魔しちゃって》


「そのことだけど・・・ああ・・・怒るのもめんどくさい、もういいわ」


「あ〜あ、レプリスに体があったらな・・・」


《そうだね・・・だったらラブラブできるのにね》


「まあ、それもできたら嬉しいけど、顔や体があるほうが表情やしぐさが

分かるから一緒にいて楽しいだろ?」


《そうだね・・・でも私、捨てられた女だし・・・脳みそしかない女だし》


《自分でそう言う言い方しないの・・・》


「なんかな〜なんか、いい方法ないかな?」


《あっ、そう言うことなら私を製造してた会社のラボに、一宮 金次郎いちみや きんたろうって若いエンジニアがいるからその人に一度会ってみたら?》


つづく。

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