人物紹介:命

──────


【 担当:悠心ゆうみ

紹介か。何言えばいいんだろうなコレ。どこまで言っていいんだろうなコレ。


まあ、とりあえず色々話していくか。

本名は雫石しずくいしめい。身長は150cm台の半ばだった気がする。体重は……聞いたことないな。身長的にはまあ多分私よりちょっと重いくら……ん、いやでもすごい細いんだよな。もしかしたら私と大差ないくらいなのかも。


誕生日は1/9。私たちの冬休み明けのメインイベントはこの日だな。

私たちの中じゃ誕生日的には末っ子だけど、間違いなくいちばんしっかりしてるぞ。


命には6つ下に弟、8つ下に妹がいる。

弟の息吹いぶきは反抗期真っ盛りだけど、妹の未来みらいはよく命に懐いてる。私たちにも懐いてる。遊びにいったら駆け足で向かってくるしな。

お父さんとお母さんはあんまり見たことないな。仕事が忙しいみたいで、授業参観とかには確か交互で来てたけど、家に遊びにいった時に会ったことは今のところ滅多にない。

私が憶えてる限りじゃ、両方とも高身長だったくらいの記憶しかないし、改まって挨拶したこともないかもしれない。

そんな家を空けがちな両親に代わって、年の離れた弟妹の面倒を見てるみたいだぞ。

面倒見がよくて世話好きな性格はそこから来てるのかもな。


趣味。……命の趣味ってなんだろうな。

書道が好きなのは知ってるんだが、一緒にいる時に墨をり始めたことなんてないし、書いたものを家に飾ってるわけでもないし……。

あ、いや待てよ?あったな、字がみっちり詰まった紙。ええと、摩訶般若なんとやら……あ、思い出した。般若心経だ。写経だ。勉強机に置いてあった。先生と見紛うくらいに字が綺麗なんだよな。あれは趣味って言っても過言じゃなさそうだ。

老後は書道の先生やりたいって言ってたし、そうなったら私も通ってみるかな。


特技は筆写と、それから料理。

冷蔵庫に作り置きがない時は、毎回命が料理をしてるらしい。そんな生活が長く続いたからか、自然と上手くなってたらしいぞ。

未来みらいからはもちろん、多少ぶっきらぼうながらも息吹いぶきからも絶賛されてるみたいだし、いつか私も食べてみたいな。


性格は温厚で穏和。争いごとは行動の選択肢にないし、いつでもニコニコしてて愛想がいい。困っている人がいたら積極的に助けて、何ひとつ見返りを求めない。誰からの評価もすこぶるいいというのが命という人間だ。

ただちょっとお人好しな部分もあって、悪い人にも分け隔てずに慮ってしまうから、そこは私たちがカバーするしかないな。命をトラブルから遠ざけるのが私たちの役目だ。


次は容姿か。

えっと、そうだな。特徴的なのは鋭い目だけど、本人がちょっと気にしてるからあんまり言及しないでおくな。……いつもニコニコしてるから、傍から見れば全然目立たないと思うんだけどな。

髪は薄い灰色のロングヘアで、いつもそれを肩のあたりでひとつ括りのおさげにしてる。たゆんでる髪の毛がチャームポイントだぞ。

体型は……体育とかプールとか、いやもっと言えば温泉とかに一緒に行くと分かるんだが、薄いし細い。私が言えたことじゃないが、ちゃんと食べてるんだよな?

ギリギリ不健康には見えないラインなんだが、なんというかこう、もっと食べさせたくなってくるな。料理できなければ少食気味の私が言うのもなんだけど。


というか一緒に旅行に行くとよく分かる。不健康っぽさが。

誰よりも後に寝て誰よりも早く起きるし、ご飯は食べきれなくて絃葉と八葵に分けてるし、温泉に入ると細っそいし、お風呂上がりでも低体温だし。

まあ目立って体調崩したりとかはあんまりしないから、あれが命の当たり前なんだろうな。でも流石に心配だから、もう少し気遣いを増やそうと思う。


このくらいか。大体言い終わったよな。

八葵、これ切っていいのか?え?まだ尺がある?分かった。なんか言っとくな。


えーと、まだ言ってないことあるか?

……あ、人の叱り方が上手い。これ言ってなかったな。

命って下にきょうだいがいる以上、姉として叱らなきゃいけない時もあるんだが、それで鍛えられたのか、やたら人の叱り方が上手い。

小霧と八葵がよく……って程でもないか。たまに叱られてる時があって、その時だけは2人のことを妹みたいに見てる節がある。

間違いを認めさせて、それと向き合わさせて諭す感じとか、相手が理解しているかを逐一確認する感じとか、どうも年下を叱ってる時の叱り方なんだよな。叱る内容の道理もちゃんと通ってるし、小霧も八葵もいい感じに反省して終わるし、間違いなく上手いな、叱り方が。


……あ、丁度いい尺になったな。

んじゃ切るぞー。(録画終了)


──結局なんなんだコレ。命とか、さっき私の紹介も撮ってたろ。一体誰に見せるんだよ。なあ八葵?なんでそっぽ向くんだ?どこに上げる気なんだこの動画?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る