第3話「黒き崇拝」

なぜか、月を見ていた

孤独に似合いそうな夜空だった

どこか遠い遥か奥へ

そう心は迷い込んでいる

美しさとは時に残酷に自分を映す


世界にある

黒きモノは

光の前では影しか落とせない


それが現実だ

私もまた黒きモノ

望まれず煙たがられる

そうした侮辱される存在


生きるほど

目がくらみ

その度に、闇を知る


だから初めから闇を選んだ

暗きモノには暗き居場所

そうして深い底へと奈落よりも深淵へと

そう日々を進めた


不幸を崇め

傷を喜び

死を促す

そんな、腐った現実を

当たり前のように過ごす


それでもいい

人生に価値など見言い出していない

所詮は、手足と頭がついただけの人間という器

死のうが喚こうが

どうだっていいんだ


だから消えてくれ

私でさえ消えてくれ・・・

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