桃色の星くず 〜女好き少女、エネルギーソードと魔法の異世界でロボット乗りの騎士で国家最強目指すことに〜 

粗製フィーチャー

第一話(リブート) アーマード・シード



戦乱が5年に及ぶ春







ガギイーンッッッ!!!  グシャッ ベキッ!   








人々は 騎体の熱気で溶けかかったアスファルトに己が足跡を刻印しつつ歩く








パパッ……!   キンッ!メリッ








桜に花はなく、








ジャッ! カツッ!  パッ!ズバアッ!!   バギッ!









ひどく暑い。











二騎のロボットがレーザーを撃ちながら斬り合う  





ズドドドドドドド!! キァィィィィィィ チキンッ! チキンッ! チキンッ!

シュウウウウウウ ピーーンッ!  ピーーンッ!





奇怪なエンジン音を響かせる半透明の騎士のようなロボット

関節からは桃色の粒子が溢れ、手には実体剣にビームを纏わせたものと鉈、盾を構える







ヴォバババババ!!!  グゴゴゴゴ   ツカーーンッ! ツカーーンッ!  キッ!キッ!キッ! FiFiFiFiFiFi!!!!





  

こちらは赤いロボット しかし半透明のものよりも重低音のエンジン音 見た目は細いフレームに明らかな重装甲を纏う

武装はハンマーとビームアックス、盾を組み合わせた武器と光剣をもつ






どちらも長時間の戦闘で、目立った大きな損傷はないが全身の装甲が焼け焦げ 油圧パイプやシリンダーはボロボロ

装甲も接合部や末端に至っては捲れ上がっている部分もある

今にもどこかの装甲がブロックごとずり落ちそうである






「チィっ!  こうまで粘っては義体の処理速度に……!!   騎体報告!」




『イエスコマンダー、 機体各部補助油圧系破損 損傷部はカット 騎体パワー前報告より7%低下  第四装甲ラミネート全損 一部第二装甲まで破損  ベイル周りは限界です! 極力使用は避けるように…!!』





「そうは言っても……!   くっ、 まだクルか……仕方ない!!」





ギシギシッ バッ!!  





敵の大胆な攻撃に咄嗟に盾を使いハンマーを受ける







ドドンッ!!!!   バギィッッ!!ベキャッ






受け止める瞬間盾を傾けハンマーの軌道をそらそうとするが、やはり質量負けし弾かれ少し騎体がよろける

盾の基部にダメージが入る

あまりの衝撃にパイロットの腕にも不具合が出始める





『バックラッシュですっ……!!   加えてベイル(盾)機部及び肘部補助油圧シリンダーにダメージ  全身可動、更に5%低下!!』





「ならばっ!!」






パカッ… ズルリ!   盾を機部の付いた装甲ブロックごと外す……!!





軽くなった左手を振り上げ鉈から斬撃を飛ばす





ズバアッ!!  





「斬った!」  『斬ってない!』  



「えっ!?」





手元に力を入れるがどうにも前に進まない!









「…王も騎士も宗旨替え  浮かれ浮世の憂さ晴らし……

踊れ現世 憂さ晴らし……」









「!!…… なら言って欲しいっ!!   言って欲しかったっ!!!  抱かせろ!   抱いてくれ!!   そう言ってくれて…… それだけでっ!!」







バチッ! パッ!バリバリバリッッッ!!!

シュウウウウウウ!!!!!





「胸部バリアーがまだ……!!!  まだ心を隠しているか!?」





『コマンダー! 防御を!!』





「そこまでしてぇっ!!!   フンッ!  ダアアアアアアア!!!!!」





ガキンッ! キンッ!  ブンッ! キャイッ…! バババババ!!!


グオオオオオオ………!!!!!






怯むまいと連撃を浴びせ敵もそれに対応する






その後二分にも及ぶ攻防  ニ騎は自騎の損傷を意に介さない攻撃を続け、主な攻撃防御用の第三装甲はマトモな部分をほぼ残していない

ニ騎は一旦飛び退き体制を整える






「戦況報告」 『6時間前 味方の勝利で終了しています』





「……キメないとな、  そろそろ    いくぞ!

騎体を軽くするぞ   増加装甲全て排除!!  リキットも抜け…!!」






ガキンッ…… キュルキュルキュル ガラガラ ガランッ!  バラバラバラ…… プシュッ! プシュゥゥゥゥ……






(敵)「……… 」





プシュゥゥゥゥ………







『コマンダー! あちらも装甲排除を…!』






「ヤル気ってことだ…… クソッ!」





透明な騎士のパイロットはコードの束を伸ばし腕に差し込む

そして、

ニ騎がの換装が終わり、一部 生のフレームまで見えるほどほっそりとしたシルエットになる

多くの者はこの姿を見れば、もう動くまいと思うであろう……






しかし! このマシンは動く!





動くのだ!!






例えフレームだけになろうともそのエンジン! 関節機構が生きている限り動くのだ!!






ニ騎が油断なく構える  ここまでくれば後一、二回の組み合いで決着はつく






半透明の騎体に乗る騎士がポツリと呟く  気合いや諦めよりも、

虚しさが大きい  

もちろん自分が負けることなど考えてはいない

しかし、どちらにしろ これが恐ろしく"最後"なのだ



特に"敵"にとっては……







「ハァ……   なんで、こんなになるまで来たんでしょうね? 私達、  ねえ…… シリカさん………」









数々の国家が強さを求め、国同士が大規模な戦さを繰り返すあまり、徐々に後退しつつあった時代は終わる。

次に始まるのは安定と発展の時代。 

宇宙開発の時代である。




しかし、そのような時代にあっても戦場は消えることはなく、

形を変えながら常に存在し続ける。





そして、





次なる闘いの時代への準備は、 もう既に始まっているのであった。








 プロローグ

    irrelevant to many people end of history 完

――――――――――――――――――――――――







???「俺が語ることのできるのはここまでだ。

いつもここまでしか、 ここで終わってしまう。

まぁ俺がこんな話をしても、お前は忘れるのだろうが……

お前もここで終わるのだろうな。」







???「行ったか……  次のアイツには"どれの話"をしてやろうか……」








???「むっ、 もう来たのか……  

私はジャック・モレーという。




……お前に一つ、  物語を聞かせよう」








――――――――――――――――――――――――







私、 れいだ ミトン!   中学2年生の女の子 今日は授業で使う魔法用のスマホを忘れちゃって 苦手なバトンを借りて一日中使ってもう疲れちゃった!




「今日は帰って勉強して洗濯して…お料理して……妹を……お風呂に、入れて………ゴミ出しして………………っ!! ダメよっ! 私!!  これも将来素敵な人に出会った時のためなんだからっ!!」




そう! 私の夢は、もう今じゃほとんどいなくなっちゃった専業主婦!  家事も大変だけど、今から慣れておけばきっと大丈夫よね!




「見てなさい! 私の家事スキルでカッコいい人もかわいい人も、みぃんっな!モノにしてやるんだからあ!!」

『スッゲーナコイツ オオモノダ』




「んっ?  何か声が聞こえたような……あっ!」



『なに見てんだぁよう……めずらぃかあ?』

「う、ううんっ  かわいいなぁって」 ズイッ! 



手を伸ばすが、『でえっいっ!』 バシっ!



「痛っ!」  叩かれ、少し血が出るがすぐに止まる



『アバよっ!』




サササッーー 「あっ! ちょっと待ってよお〜 モフモフさせてえ〜!」  




私は可愛いものには目がないのだ! 





タッタッタッタッ! 『何で来るんだあー!』 「私には〜癒しがいるのぉ〜」  




『へっ! そんなのに構ってられるかよ……!? あの子の血、この感覚は!、、、なら 連れて行くしかない!!』


『………はははっ! ついてこられるなら来てみな!』




その後少しの間、薄暗い路地を走り続けて、開けたところに出る




サパッアアアーー(爽やかな風の効果音)




「待てえええ………え?  ここ、来たことない? どこっ!?」 




――――――――――――――――――――――――




さっきまで夕方のはずだったのに、太陽が真上にある

なにより、ビルの隙間の路地だったのに 今出てきたところはガレキの隙間から!?




「えっ、どうなって、、、とりあえずこの子抱いて考えるわね!」  




ダキッ!(猫を抱き抱える) 何故今は猫が素直に抱かれるのかは考えてはいない




「うう〜ん  やっぱり猫ちゃん、可愛い〜!」




『……おい、俺は猫ちゃんじゃねぇ シュレディンガーってんだよ』




「シュレディンガー……?  なら、シュガーね! 長くていけないわ!  私は れいだ ミトンよ  よろしくね!!」




『いやいやいや  おかしいだろ………』 「そんなことよりよ!」 『そんなこと、だってぇ?  今、君はどういう、』 「ここってなんなのかしら?」 『教えて、』「あなた何か知ってない!?」 『え、ちょっと』 「ここに来る道、あなたについてきたのよ!」 『話は、』 「教えて!」



『話はきちんと聞くっ!!  教えてやるから……ええっとなぁ 簡単に言うと、ここは元いた世界とはちがう世界  異世界、ってやつだぁ  そしてここは、その中でも2番目に大きい国、メンツってんだ』  


「ヘェ〜  それは凄い 幻をみせる魔法も使ってないみたいだし、本当だよね」




『すなおに、うけとめるね それにしても魔法の流れが見えてるのか  すごい事だ、それは (小声)やっぱりみこみがあるのかも!』




「ええ〜 そんなことないよ……私にはこれぐらいしか、何か言った?」




『えっ!  べ、べぇつになんにも言ってやしないさ そんなことより……………マズい!  早くかくれるんだっ!!』 




シュガーがとつぜん叫び、腕の中で暴れ出す




「何よ、やぶからスティックに」『スティック?  いや、違うっ! 早く移動するんだ……!!』




スタッ するりと腕からぬけたシュガーが遠くを見ている




ズズンッ! ガキーンッ キンッ! キンッ!  ズゴゴゴゴッッッ




突然地面が揺れる!




「何なの!?」 『遅かった!』 「なにが!?」 『もう来る!』




ズガアアアアアンンンッッッ!!!!




「きゃああっっ!!!」  




何かが飛んできてさっきまでいた瓦礫の山にぶつかった

これで帰り道がなくなったのだがこの騒ぎの中でミトンはしっかりとそれを見て、その上でいったん見なかったことにした



「な、なにぃ  何が飛んできて、」




土煙でシュガーを見失い、手探りでふらふらと歩く




コツンッ! 「うわっ!」 ドサッ 何かにぶつかり転んでしまう




「痛てて、 何かにぶつかって………はっ!」




ドッ! ビシュウウウウ!! キィィィィィィィンッッ!   




あまりに大きい音で土煙が吹き飛ばされ、強い耳鳴りがする


近くにいたらミトンも飛ばされていたところだったが、すんでのところでどうにか飛びのいた




「鳴き声!?  爆発じゃない!  何っ! この、モンスター…  いや、ロボーター(意思を持ったメカ)!?」




そこには 体がところどころ機械の太ったドラゴンのような生き物がいた

明らかにこちらを狙っている!!




「逃げなきゃ!」 『そうだっ!  早くこっちへ!!』



「シュガー!」 『とにかく走って!  ロボーターがいるってぇなら、近くに来ているはずだっ……』




ガレキを飛び越えながらシュガーがいるところを目指して走る プロのパルクール選手顔負けの動きをくりだすが、




ガッ! 「うわあっ!  足が ガレキに!」  ばたっ!



『転けただってぇ!?  立ってぇはしるんだ 早く!』




「立つ!」 ビヒュウウンッッ!!キィィィィィィィンッッ 「ひぃっ!」  




声を聞きつい後ろを見てしまい 以外なほどにロボーターが近づいていると気づき 腰を抜かしてしまった



シュガーが何か叫んでいるが、もう動けるものではない




ロボーターが前足で、ミトンを捕まえ、ゆっくりと口に運ぼうとする




「諦めちゃったぁ……でも、素敵な人 会いたかったなぁ 、もう静かにしておこっと」




ズヒュンッ! カチッ ズヒュンッ! キキキキキ




「…不思議な音まで聞こえてきちゃった………せっかく静かに終わりたかったのにイライラしてきた 」




ギュウイイイイイイッッッ!!!! スヒュヒュヒュヒュヒュ ズゴゴゴゴ!!




「うるさいわねっ!  もう生きてやるんだからっ!!  くっ、うぅ 離してよっ!」




今になってジタバタし始めるが、もうロボーターが口を開け、食べられる直前である




グオオッググググ ヴオオンッ!!!!   何かがすごい速さで振り下ろされているのが見えた気がした




バギイイイイッッ!!  凄まじいしょうげきがおこり体が吹き飛ばされる




「きゃああっ!……へっ?」  そのまま地面に落ちると思ったが、なぜか途中で止まった




またも土煙でよく見えないが、巨大な手の中にいるのはわかる

そして地面におろしてくれた




ズヒューーーイイイィィィィィィンン キュカッ! キュカッ! カチッ シャシャア キンッ!



不思議な音がだんだん弱くなり 止まる




「これの、エンジンの音? だったのね?」




プシュッ グググッ  スタッ バササッア! 首元が開いて、マントをつけた人が出てくる




ガガガ、ピィーー(スピーカーがONになる) 


「貴様、そこで何をしている!  ここは今 ローターネ(ロボーターエネミーの略)の退治中だ………だが、とりあえず 無事でよかったよ  お嬢さん」





ようやく煙が落ち着き、しっかりと見えてくる 

そこには、日に照らされ光り輝く大きな鎧を着た騎士のようなロボーターと、その上に立ちこちらを見下ろす黒い騎士




ミトンが立ち尽くして見上げていると 騎士が話しながらヘルメットをとる  女の人だろうか、光のせいで中性的にも見えるあまりに美しい人であった




「……私の騎体が、何かに呼ばれたような気がしてきてみたが、よもや このような少女とは……  お聞かせ願おう なにものかな?」





「……………」  ミトンは、そのあまりの美しさに完全に見惚れてしまい何も言えなくなってしまった




しかし!  これだけははっきりとわかる




「私は、あなたをっ!  絶対モノにしてみせる!!  ここから始まるのよ  一度おわりかけた人生! これまではイマイチだったけど!  今度こそ最高にしてやるんだからっ!!!!」





第一話 完

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