いつか壊れてしまいそうな儚くも濃い愛

吸血衝動のある女の子と恋愛し、やがて恋人になったふたり。

血を吸う彼女と、上手く手綱を取るような彼氏。
一見、普通の男性が愛ゆえに、吸血鬼の彼女と生活をともにしているようにも見えます。

ですかふたりは付き合う時、互いに言い合ったのです。
「普通の男じゃダメ?」
「普通の女の子じゃなくて良いの?」

彼氏は、普通じゃないからこそ彼女に惹かれたのでしょう。
彼女は、そんな自分を受け入れる彼もまた普通ではないと気づいていたのではないでしょうか?

普通ではない者同士の、普通の愛の日々。

でも彼女は、ときに吸血衝動に歯止めがききません。
今はまだ平気でも、愛が深まれば深まるほど、止まらなくなるのかもしれません。
いずれ、どこかで、この愛の日々が壊れてしまうのではないか……と想像もできてしまいます。

けれども、そこに後悔は生まれないような、そんな大人の恋愛が感じる物語です。

一読をお試しあれ。

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