第11話 エピローグ(夢のもとは・)

 最終話で書き記した一件のほかにもヒヤリとしたことが何回かあったように思い返しますが、具体的にはっきりとその時の情景が蘇ったのは、このときが一番だったみたいです。プロローグで記した夢の根源は、事象は違うもののこの体験が起因していたのかなと思います。

 シゲルさん、具体的に数回落ちた以外にも、進路がずれかけたり、心身ともに完全にダウンしたりしたこともあったみたいですが、思考方向を変えることで何とか今日も笑顔で元気で活きています。


 ちなみにシゲルくん、心のダウンは高校受験のころの反抗期にも一度経験していました。幼少期のころは親子5人で楽しい我が家だったのですが、15歳になったころには、大工の棟梁であった父親が毎日酒飲んで帰ってきて(飲酒運転当たり前の時代)は、お母さんと口喧嘩ばかりしていたので、いい加減に嫌気がさして親父殺して自分も、みたいな時期があったみたいです。

 このときもやはり、いったん心を落ち着かせ意識して両親を違う方向からみて、思い直せたようです。毎夜食事時に喧嘩ばっかりしてる二人ですが、翌朝には母親は何事もなかったかのように朝飯食わせ弁当を持たせていたのです。また素面では無口な父親は1年365日のうち家でゆっくりしていたのは、お盆と正月のそれぞれ3~4日で他は殆ど仕事に出かけていたのです。


 シゲルさん、還暦過ぎた今の自分、結婚は遅かったけど二人の子供にも恵まれ、春には待望の初孫との初顔合わせが予定されていることに、本当に幸せを感じています。これからも、どん底でも必ず明日がきて前進するし、口喧嘩は良いけど朝にはいつもと変わらず過ごすことを、子供達とも共有していくつもりみたいです。

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おちたはなし アレコレ 妖怪老人びーる男 @post363k

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