第2話 自分のミスを認めなさい!

人間である以上

人は誰でもいつでもミスをしてしまう可能性はあると思っている。

私も自分が一番信用ない。というより、何をしでかすか分からない...

30代となっても自信がないのもないかがなものかと幸来(サラ)は思うことがある。



とりあえず、間違ったら

「すみません!」と言うことにしている。

「これ誰!?」

となってても(ヤバっ...私な気がする...)と少しでも思ったら

「私かもしれません」と伝える。


正直者!というよりは

ただ単に、自分がしでかしたことで他の人が怒られるのがどうにも嫌なだけなので

残念ながら、世にいう"良い子"というわけではない。


時々、

『これ誰!!』

とメモが貼ってあることもある。自分だ!と思った瞬間走ってメモの主の元へ行き

「私です!」と白状する。

するとなぜか爆笑されるのだが...



出社早々、机上にミスの報告書が。

(これは今日注意をしてくれってことだな...)

注意をされるのも嫌だけど

注意をする側はもっと嫌だし憂鬱であると気付いたのは、それなりの年数が経ってたからだ。


しかも、今日の相手は手強いかもしれない...


お茶を飲み、事前に糖分補給でチョコレートを口に入れる。気合いをいれて、いざ!


新卒で入ってきた女の子。

清楚な感じでニコニコしている。

「これ、南さんが処理したやつだよね?

 処理が間違ってて、昨日大変なことになったみ

 たいだよ?」

と、どんな処理が間違ってて具体的にどういう影響が生じてしまったのか、どうしないといけなくて、どのメンバーが対応してくれたのかを1つずつ順を追って話していく。


「いや、それ私サインしたけど途中から西さんに 

 頼んでお昼いったんで」


(はぃ?)


「続きやっとくって言ったんで」


(はぃ?)

やはりきた。他の人の名前、ましてや同期の名前を挙げてきた。

(落ち着け...)


「じゃあ西さんにも話してみるね。でもサインし

 てるし、受けたのは南さんだよね?確認しなか

 ったの?」


「お昼戻って忙しかったんで。電話対応他の人が

 してくれなくて。」


(いや、他の人がしてくれなくてって、いつもはあなたがしてくれないって愚痴がわんさか届くんだよ...)


そして、実は既に西さんが処理した後

この南さんに確認と間違いなければサインを依頼していたことは他の同僚数人から話が届いている。


こりゃだめだ。

「南さん。まず、なにか注意を受けたら、『もし

 かしたら自分かもしれない』って考えてみよう

 か。忙しい職場だから、無意識に漏れてしまう

 ことは誰でもあるんだよ。ホントに自分じゃな

 いことを認めなさい!とは言わない。私もそれ

 は腹立つから。ただ、自分もこうすれば良かっ

 たのかもってのが思い浮かんだら、少なくとも

 今後似たようなことを防げるかもしれないか

 ら。」


内心

(失敗を認めないと成長しないんだよ!)

と言いたいところだが、言葉を選ばねば...


「そして、もし西さんが間違ってしまってたので

 あれば、ダメだけど、いや、ホントに内容によ

 ってはすぐ報告必要だけど!個人的には今回の

 様なちょっとしたフォローでトラブルにならな

 いものであれば、同期同士こそっと修正して私

 にバレないようにするくらいは助け合って良い

 と思うよ。。。」


なぜなら今回大事になったのは

南さん、西さんに続く第3の同期、金子さんが先輩を巻き込んで言い回った結果だからだ。


いっそ、

助け合う、庇い合うくらいしてもらった方が良いというのが持論である。そんなこと言ったら私が上司に怒られるかもしれないが...


新入社員のミスは、小さなことでも注意をして自分で修正させる。覚えてもらうためだ。

数年たって、日頃の仕事ぶりを見れば分からなくて間違ったのか、ドタバタでうっかりだったのかくらいは区別がつく。

何か大きな損害に繋がる!とかではなく、内々だけの影響であればコッソリ修正して後からコッソリ伝えれば良いと思っている。

実際そうしている。

まぁ怒られたら潔く怒られよう。


一通り話し終わり席に戻ると

「お疲れ様です」

と後輩がチョコレートを持ってきた。

「糖分どうぞ。ちょっと良いやつです。」


ありがたいぞ...

自分じゃ絶対買わない、

1個100円のキラキラチョコ。

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