第9話 ゴブリン狩り
さてさて、地図はいただいたけど、ここは私自身の鑑定、マップでゴブリンを探すよ・・・
なんか、この街を出た森や林のほうにいっぱいいるんだ~ 特に、小川や水際に多いみたい。
貰った手書きの地図と照らし合わせてみたら・・・凄いじゃん、だいたい合ってる!
「先生、この辺の森に行ってみます」
「ああ、良いよ、ベスならできるから、僕は見ててあげるから・・・」
「はい」
って? もう私は放っておかれるの? まあ、良いわ・・・
本ではよく勉強してるし、何とかなるんじゃない? ノアもいるしね。
<にゃあ>
ギラン先生を連れて転移! で、森の中の小川のそばに移動してきたよ。
水際でギャーギャー騒いで、あれは喧嘩してるの? ちっちゃくてきちゃない大人って感じの変な奴らだね。
気配を探ってみれば、水際に6匹、近くの森の中にもう6匹、この近くではこの12匹だね。
まずは水際の6匹、瞬歩で近づいて行って・・感電! そして光射で、まず6匹を仕留めたよ。
魔石回収は後にして、先に森の中の残りをやろう。
瞬歩で近づいて、フラッシュ!で、気を引いてからの、重圧!
ははは・・・私の前に跪きなさいな~ 光刃を放った。一匹ずつ丁寧に光刃で首ちょんぱ!
うん、・・・特に罪悪感とかないよ? あれ? 昔の私もこんなんだっけ?
まあ、良い、ここは日本ではないし、こういう魔物と犯罪者と魔法と剣、そしてドラゴンや神のいる世界なんだ~~~
「ははは、ベス? よくできました。・・・でも楽しいかい?
ゴブリンたちも、魔物とはいえ、頑張って生きていたんだろうな・・・
別に、魔物を殺すのが良くないとは言わないよ、だって、魔物が増えれば我々人間に被害が及ぶし、弱い人間はやられてしまうからね。
でも・・・そんな奴らでも、やっつけておいて楽しい、面白い、っていうのは、少し違うんじゃないのかな? それじゃあ、無差別に殺しをしてる連中と同じじゃぁない?」
「うん・・・そうだね・・・あれ? 私、涙が・・・止まらないよ・・・」
「ベス? おいで!」
って、ギラン先生が、私を抱きしめてくれた。ああ、安心・・・ほっとする・・・そうか~ ヒールって自分でも自分にかけてみた。
うん、落ち着いた。
「先生、私・・・よ~くわかりました」
だから、やっつけたゴブリンたちを一か所に集めて、両手を合わせておいた。
形だけかもしれないけどね・・・そういう気持ち!
「ははは、ベスは・・・昔の記憶もあるんだっけ?」
「はい、でも、忘れてしまいそうです・・・」
「そう? もう一度いうけど・・・・」
つまり、ゴブリンや魔物を絶対に殺してはいけない、とは言わないけど、ざんさんいたぶって殺して、ただ喜んでいるのは・・・違うんじゃないの? ってこと。
「日本だっけ? そこでいう、黒い、G みたいなものかもしれないね・・・
ははは、ゴブリンも G だね・・・・」
はいはい、分かりますよ、でも、 G は、私は殺したことはありません、すぐに悲鳴を上げて逃げていましたから・・・・
「さて、魔石の回収は? できる?」
できますとも! 海神様に感謝しながら・・・部分転送でも良いし、部分収納でもいける!
ゴブリンに触んなくても良いんだよ?これ・・・
全ゴブリンを指定してその魔石だけをターゲットにして、まず転送!で取り出してみた。
はい、確かに12個、私の指定した足元に転がっています。
これらをまとめて、収納!
「うんうん、凄いね、転送と収納をよく使いこなしているね、これは合格!」
「はい、こういうのは得意ですから!」
「よし、じゃあ明日またギルドへ顔を出そうね! 今日はここまでにしようか・・・」
(ベス? ベスちゃん? 海竜様よ? 聞こえるでしょ?)
先生の顔を伺えば、うなづいてくれてるし・・・
(はい、ベスです、海竜様? なんでしょうか?)
(ちょっと、こっちにいらっしゃいな~)
(あの~ どちらへ伺えば?)
(いま、この念話の発信元、わかるかしら?)
<にゃん!>
あっ、マップが表示された、ノアだね、ありがと!
えっ、そこって? 水深700mの海底? 私、行けるの?
「よし、ベス、海竜様の居場所は分かったかい? 行こうか・・・」
えっ、ちょっと~ 簡単に言ってくれてません?
「なに、簡単だよ、そのマップに従って転移しちゃえば・・・」
そうなの? 本当に? ノア? 私を守ってよね・・・・
「はい、では、行きます、先生も一緒に!」
(うふふふ、ベスちゃん、よくここまでこれたわね、どう、どこか異常はないかしら?)
(はい、海竜様、なんともありませんが・・・よろしいのですか、私なんかがこちらへ伺っても?)
(大丈夫よ、此処には、そこのギランとベス、あなたしか来れないしね、秘密の場所よ)
(はい)
それにしても、ここ、マリアナ王国みたいに、結界で覆われた空気のある空間じゃないんですけど~ 私ってば、平気なの?
あれ? そういえば、海中なのに濡れていないし、<ス~ハ~ス~ハ~・・・>
あれ? 息も出来るよ。
明るいのは、海竜様のこれは宮殿? そこが明るいから・・・
(ふふふ・・・ねえ、ベス? 何をやっているの?さっきから、少しおかしいわよ?)
(いえ、海竜様、私・・・海中にいるのに濡れてないし、水圧も感じません。それに、息もできます、しなくても良いみたいですし・・・)
(ベス? あなたは私の加護を持っているわよね? しかもそれ、海神様の加護で強化されているでしょ? こんなところでも、何も問題はないわよ?
まあ、今は、自動的に、薄い空気の層が結界となってあなたを覆っているから、服も濡れないわね)
えっ? そうなの・・・と、自分の手を出して、よ~く眺めてみれば・・・確かに! 空気の結界で覆われている。
(凄い! 海竜様、ご加護をありがとうございます!)
(ふふふ、実感できたようね・・・・)
と、まあ、何のことはない。私の最近の出来事をいろいろ聞かれたので、答えておきましたよ。
また、ギランさんに付きっ切りで、訓練を付けて頂いていること。
召喚魔法を習って、このノアちゃん、黒猫を召喚できたこと。
実践訓練に必要だからってことで、気配察知を訓練したこと。
マリアナ王国の街にでて、悪意のある盗賊や貴族を見つけて、兵隊さんたちに捕まえてもらったこと。
地上世界に初めて出て、冒険者登録をしている最中だということ。
必要なゴブリンという魔物の魔石を12個集めたこと・・・
(ふふふ、面白そうね・・・私も、保護者になってあげようか?)
えっ? なんですって!~~~
(だから~ 私も少し、付き合ってあ・げ・る! 明日、ギルドへ行くんでしょ?)
(はい)
(じゃあ、明日、まず、ここへ私を迎えにきてくれる?)
(はい)
あれれ? なんかすごいことになってない? 海竜様だよ?
そのあと、少し説明されたよ・・・
海竜様が少し地上世界を回ってみたいってこと。
わたしの保護者としては、適当なご婦人に変化すること。
その名前は、「・・・そうねえ・・・マドカ、ってことで・・・」
*海竜 マドカ様
*海竜宮殿 海底700m
*
「マドカ様、お迎えに上がりました!」
もうそこにはギラン先生もいらっしゃったよ。使徒様だしね・・・
そして、そのご本人様は・・・これはもう絶世の美女ですね~ それに、普通の貴族の奥様の簡易衣装でよかった。これで、正装だったら・・・一緒に歩けない!
(なに、ギラン? 何か言いたそうね?)
(いえ、マドカ様、なにもございません。普段とは違ったお姿なので、少し戸惑いましたが、大丈夫です)
(そう? どこかおかしいところは無いかしら)
(いえ、大丈夫です)
(さあ、ベスちゃん、私も一緒に連れていってくれるかしら?)
(はい)
って・・・ええ~~ 私が!? マドカ様を連れていくんですか~ いくんですね~
ギラン先生から、もう、直接ギルドまで、と言われたので、・・・転移!で、ギルドの裏側の人の気配の無い場所に移動した。
ギラン先生、私、そしてマドカ様の順で、ギルドに入っていくよ・・・・
先生が話してくれて、ハドソンさんを直接指名。
ギルド長の部屋に案内された。
まあ、それは良いんだけど、ギルドに入ったとたんに、中にいた人たちから、歓声? 感激? 溜息? 絶望感? 嫉妬? 絶賛? いろんな声が聞こえていた。もっぱら、マドカ様に向けられてだよ・・・
「おお、今日はまた、美人さんと一緒か~」
「ああ、はじめまして、ベスの保護者の一人ですわ、よろしく、ハドソンさん?」
<うん? 俺の名前を知ってる? そうか、おチビちゃんから聞いたか・・・>
「それで、ゴブリンを狩ってきただと?・・・・うううう~~・・・・きつい!」
「あの~、ご婦人?すみません・・・少し気を緩めてくれませんか? ああああ~~」
「あら、私? 何もしてませんわ。そうね、初対面で緊張してるセイかもしれないわね、ふふふ、ごめんなさいね」
<・・・って、緩めてくれて、助かったよ、この俺が・・・息も出来ん!とは・・・なんという保護者だよ、全く、ううう~~>
「では、ベス、魔石はゴブリンか? ここに出してくれるか?」
「はい、<ジャラジャラ・・・> これです。12個あります」
<待て待て、今、こいつ、どこからこれをだしたんだ? それか?その赤いポーチ? まさか? 魔法鞄なのか?>
「えっと、ベス? それは、魔法鞄なのかな?」
「ああ、これ? そうですよ、私の大切な方からいただきました」
「そうか・・・凄いな・・・」
「よし、これで良い、仮カードを回収させてもらって、新しいカードを発行しよう」
「あら、面白そうね、何ですか? ベスは何のカードを発行していただけるの? 金? 白金? それともミスリル?」
<う? このご婦人は何を言い出すんだ?>
「なになに、魔石が必要なの? 宝石じゃあ駄目なのかしら、こんなのはどう?」
って、マドカ様が、真っ赤な5cmくらいの玉を2個出されたよ。
「おお~、これは、まさか! 深海サンゴなのか?」
「あら、よく分かったわね。どうぞ、ちゃんと調べてくださいな・・・」
ギルド長が、棚においてあった、鑑定機かな?を取り出して、サンゴを鑑定している。
*深海サンゴ
・超高級品質深海サンゴ、深紅、無傷 5㎝玉
・ギルド買取標準価格:金貨1万枚
「どうでした、それを差し上げましょう」
「いやいや、貰うわけにはいかない。だが、買い取らせてもらっても良いでしょうか?」
「別に、良いわよ? いくらになるのかしら?」
「2個で、金貨2万枚です」
「そう、まあ、良いわよ、代金はベスに渡してくださいな。 私はそろそろ出かけなければいけませんので・・・」
「マドカ様、では私が外まで・・・」
と、ギラン先生がマドカさんと出ていってしまったわよ・・・・
「なあ、ベスちゃんよ、あの保護者の方たちは?」
「はい、私の保護者ですよ? なにか?」
「いやいや・・・それはそうと、・・・そうか、代金を持ってくるから、ちょっと待っててくれ・・・」
と、ギルド長まで出て行ってしまった。あれ? 私一人・・・・放置された~~
「やあ、ベス、一人かい? ハドソンさんは?」
「はい、お金を取ってくるって・・・」
「そう? 2万枚もあるのかな?」
「先生? 2万枚って?」
(ああ、ベスのいた世界の換算で、20億円ってところかな)
(ふ~ん、それって、凄いですね・・・)
(ああ、まあ、マドカ様も、ああ言っておられたからね、ベスがもらっておけばいいさ)
(えつ? 私?)
(そうそう、ソウ言ってたでしょ?)
(・・・・むむむむ・・・・)
「待たせた! ベス、これだ、金貨2万枚、確かめるか?」
「いえ、分かりますから・・・」と、鑑定してみた。
*エバマリン金貨 2万枚
「はい、確かに! では、いただいても?」
「おうよ、ベスさん、あんたに渡せってことだからな・・・」
まあ、そのまま赤いポーチに収納しておいたよ。 あれ? 大金持ち!~~
「それとだ、あんたのカードランクだが、BかAでいきたいのだが・・・」
「ちょっと待ってください。それ辞退します。貴族依頼は受けませんし・・・
ですから、ギルド長がそこまでおっしゃっていただけるなら、C でいかがでしょう?」
「そうか、まあ、俺としちゃあ、何でも良いんだが・・・そうか、お貴族様相手は駄目か・・・分かった! ベス、あんたを ギルド長権限で、C ランク冒険者とする。ただし、特別登録だからな、10歳までは、保護者付きということだ、これで良いか?」
突然ギラン先生がギルド長に文句を言ってたから驚いたけど、ギラン先生の顔を見れば、笑ってるし、拒否反応も無いよ?・・・
「はい、わかりました、お手数をおかけしました」
「ははは、あんた本当に6歳か~? まあ、こちらこそよろしくたのむわ!」
少し待ってたら、ミスリル製のCランク冒険者カードを持ってきてくれた。
それに、手を触れて魔力を登録するようで、指で擦って、できあがり。
それを、受付においてあった登録機に触れさせて・・・すべて完了。
これで、王国内のどこのギルドでも、公的機関でも、私っていう人物って、判明するそうです。個人証明カードですね・・・
*ベス Cランク冒険者登録
あとで教えてもらったけど、ギラン先生のカードも、私と同じで、ミスリルの C ランクカードだって・・・
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