自己評価を下げよう

Z「すすめられたマンガを読んで面白いと思って調べたら、元々は小説でコミカライズされたものだったんです。登場人物の一人がイメージにあわないかわいらしいアイテムを持っていることが重要なポイントなのですが、この提示の仕方はマンガ、絵のほうが自然でうまくいくように思ったんですよ」

A「媒体によって得意な表現があると?」

Z「そうです。そんなにアニメ作品も触らないのですが、これ、実写でやったらどんなにお金かけてVFXとかやってもチープになるな、ということはやっぱりあって」

A「それは確かに。コミックの実写版が失敗するのはそれですな」

Z「小説には小説のキャラクターの立て方があるような気がして。そこに取り組めばおのずと文章力、描写力みたいなものも上がるのかな、と」

A「マンガ表現から盗んでくるというのはアリなのでは?」

Z「みんなやっているから埋もれる気がします」

A「他ジャンルから学びましょうよ。短歌もやりましたよね?」

Z「カクヨムのコンテストですね。あれは面白かった。発見があった。長い小説を書いている人には申し訳ない気もするけど、応援するボタンを押しやすいという面もあって」

A「映画縛りとかミステリ縛りとか、テーマを設けてましたよね。そっちのほうがつくりやすいもんすか」

Z「ないと無理ですね、私は」

A「オリジナル都市伝説とかもやってましたね。そういうことやっているから新人賞の原稿をしくじるんですからね」

Z「なんか完成させないと落ち着かないんですよ」

A「じゃあ公募を仕上げて下さい。今年、放りっぱなしの長編、いくつありますか」

Z「三つ。ただですね、1000字に満たないようなショートストーリーで一応、オチをつける訓練は11月のF社のときに役立ったんですってば」

A「Fの自信は? 締め切りの日の夜、だいぶ興奮気味のご様子でしたが」

Z「あれはなんとかハイみたいなもんですよ。一時間ぐらいは今年一番頑張ったぞと昂ぶってましたけど、どこかの交差点で信号待ちしているときに急にシュンとなった」

A「それくらい冷静で自己評価下げておいたほうがいいですよ。中間発表みて膝から崩れたり、不機嫌になったりするのはみっともないすから」

Z「いや、あの年は前年がよかったからどうしても期待していたんです」

A「和歌の(コンテストの)ときもいけるんじゃね、みたいな空気出してましたが」

Z「シンプルに上ではなく、曲者枠というかコンセプトを評価されてほしいな、みたいなのはあった。確かに」

A「その変化球で生き残ろうとする方針、やめません?」

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