第3話 妹の料理が凄い!
料理がテーブルの上に乗っている…明日のデートの為に、頑張って作ったらしい。
妹は、料理を頑張って作ったんだ...作ったんだ、と思いたい。
が、見るからに、これを料理と言う物にカウントするには…無駄にクオリティが高すぎて芸術作品になっている。
それ以前に、問題が盛り沢山だ!
「この料理の数は…テーブルに収まりきらなくなってるぞ。」
「いやぁ~何でだろうね?」
「気合い入れすぎでないのか?」
「ハハハ...。」
「これだけの料理…デートに持ち歩けないだろう!今から食べるにしても、食べきれないぞ!」
「大丈夫!残った分は、兄貴の彼女と友達にプレゼント!まぁ、仕事も兼ねてるし!これで、しばらくはネタ切れはない!」
「食材は大事に使え!お金がいくら有っても足りないだろう!」
あぁ、妹の料理のお陰で、俺にも彼女が出来た訳で...人気者の妹は、付き合うにしてもハードルは高いぞ、彼氏よ。
「基本的に、お前の料理はレベルが高い!普通の料理人でも、ここまで凄くないぞ!」
「じゃあ、私は普通の料理人以上って言うの?」
「その通りだ!自覚しろ!」
「褒めても、料理しか出ないわよ!」
「まず、料理の味だけでも凄いが、それを置いといてだ...フィギア化している料理の理由を説明しろ!」
「何でだろうねぇ?なにか物足りなかったから、少しこだわってみた。」
...おい!どこが少しだよ!ドラゴンとか、お菓子の家とか、クオリティ高過ぎて食えねーだろ!
「おまえの料理、食いづらい…。」
「は?気にせず、ガブッと食べれば?私は気にしてないし…。」
「勧められても、全然嬉しくない...どうするんだ、これ。」
「私の兄上は慈悲深きお方、でも、所詮は料理だから...気にしないで食べちゃて!お願いだから!」
あ~あ、こんなにハイクオリティにしやがって...これ、記事に載るとしたら、読者に怨まれるぞ!
あちゃ、こんな隙間まで細工が...まいった。
「はぁ...とりあえず、もったいないから、彼女と一緒に食べる!」
「おぉ!流石!熱いねぇ…。」
「うるさい!さっさと掃除しろ!」
...それから1時間30分後。
「流石!プロは一味違う!」
俺の彼女がそんな事言ってるが…一味どころか、異次元だよ。
「どれをデートに持っていった方が良いと思う?」
「このドラゴンは?彼氏が喜ぶと思うよ!でも、デートじゃねぇ…ちょっと、あんたも考えなさいよ!」
「...今回の妹が作った料理の材料費、2万5000円になりまーす。」
「な、なな、なんですと!」
「兄貴!嘘言わない!知り合いの問屋から、直接食材購入してるから1万円!」
「さすが!料理研究家は、食材購入も一味違う!」
「だって、節約しないと、さすがに...と言っても、今回はやっぱり、お金をかけ過ぎました…反省。」
「そんな事言っても、また、やってしまう妹でした…。」
「うっ、ソンナコトナイヨ...。」
「それは置いといてだ...ここにあった普通の料理が、なぜ席を外して戻ってきたら、芸術作品になっていたのか説明しろ!」
「この料理を、もう少しこだわってみようと思って、適当にやったらこうなった…。」
「凄いね!私なんて、少ししか料理出来ないから…。」
「...そうか、じゃあ作ってみろ!」
「...えっ!」
「いゃ、だから作ってみろ!」
「え、あ、や、無理...。」
「自分も、少しは料理が出来ると、思ったんだよな?」
「ま、まあ...。」
「なら、ついでだから、料理の出来栄え二人で見てやるよ!作れ!」
「...ごめんなさい、私が悪っかたです!許してください!」
そして、俺の彼女は自分の料理の腕に屈した...。
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