なんて残念な妹なんだ…。

第5話 ハイスペックな思いが空回り！

合コンの帰り道、私は妹と一緒に歩いていた。

私は楽しめたけど、妹はイマイチのご様子。

なんか、真顔でぶつぶつ言ってる…なんだろね、とりあえず止めろ、怖いから！

「何で、お姉ちゃんだけ、そんなにモテるのよ！」

…ん？突然何か変な事言い出したよ、この子は。

「この前、私に劣化品とか言ってなかった？」

「ええ！言ったわよ！なぜ、色々と出来る私が、なぜ無視されるのよ！」

確かに、外見、歳、知り合いの数以外は、妹に負けている…と思うよ、一般的な所は。

一年違いで産まれ、外見ほぼ一緒…双子と言ってもバレないくらいに。

しかし、妹は頭が良くて高学歴。

一方、私は、おつむが普通の高卒…。

高給取りの妹に対して、自分は平均的なサラリーマンの給料…。

逆に、こっちが比較されて、社会人になっても辛い日々を過ごしていたんだけどなぁ…。

今回の合コンでわかった…かなり世間ずれしてるよ、私の妹は。

「モテる、モテない以前の問題よ！あんな状態じゃ、声かけにくいに決まっているでしょ！」

「それって、私が悪いと言ってるの？」

「誰でも、上から目線で色々言われたら、イヤに決まっているでしょ！」

「納得いかないのよ！」

「はぁ？何が？」

「服も頑張って選らんたのに！お金も持っているのに！色々なスキルも有るのに！なぜよ！」

「それで、私は普段着なのに、普通のOLなのに、モテたと？あんた、喧嘩売ってる？」

何故、モテないか、いい加減に理解しろよ！

オーバースペックの人間が、偏った知識で行動をとると、非常に残念な結果になると、雑誌に載ってたけど、これが典型的な例？

「女子会で、ツンデレが良いとか、色々勉強したのに…。」

女子会行き過ぎて、頭がおかしくなった？

「ツンデレがモテると？あー、それ、ごく一部だから...。」

「…姉さんは、どこの女子会のグループなのよ？」

「私、女子会、行った事無いけど…。」

「はぁ？」

「彼氏募集の為に、女子会に行く意味が分からないのだけど？なんか、意味あるの？」

「なっ、なによ！それ！」

「大体、あんたの行動、ツンデレでないから！ツンツンだけで、デレッがどこにも無いでしょ！」

「う、うるさい！」

「あんたねぇ、男の人になに求めているの？行動が訳解らないんだけど？」

「そんなの決まっているじゃない！完璧な男性よ！」

...ダメだ、こいつ。女子会と漫画で頭がオカシクなってるわ！

しかも、かなり重症だわ...もしかして、手遅れ？

「...現実見ようね。世界の果てまで探しに行っても、そんな奴居ないから。」

「いるわよ！」

「どこに？」

…おや？静かになったねぇ。

まぁ、いいか。とりあえず、さっき買った缶コーヒーでも飲むか…と思ってコーヒーをふくんだ瞬間、妹は声を発した！

「私の愛するアイドル、○○様は完璧なのよ！」

ブホッー！！！ゲボ、ゲボ…。

その名を聞いて、思わず吹いてしまった…。

「なによ、変だと言うの？」

あ、あんたねぇ、秘密だから、あんたに言って無いけど…そいつ、私の彼氏だから。

それに、あいつのプライベートの時っていったら…幻滅すると思うよ。

「…いゃ、あれは、仕事の為だと思うよ。実際、プライベートは違うと思うし。」

表に見えている所が全てじゃないぞ…妹よ。

「そんなはず無いわよ！くっ、私の身体がロリ体型でなくグラマーだったら、告白しているのに！あの方は、ロリ体型には見向きする訳無いわ！」

ずいぶんと、思い込み激しいね…我が妹は。

「どんな人もね、悪い所や欠点は、１つは有るものよ…完璧な人を求めるより、自分が相手の欠点を補うつもりで、探さないと、一生見つからないわよ！」

「うるさい！もういい！先に帰る！」

あ～あ、行っちゃった…。

向こうから突然告白されて、付き合っているのだけど…あいつは、極度のロリ体型好きで、グラマーは超が付くほど嫌う変態だから…恐らく、ストライクゾーンど真ん中だと思うよ。

アイツが妹を知ったら、手を出しそうた…。

まぁ、別れてからならともかく、浮気したら…全力で殴り飛ばす！徹底的に！

しかし、アイツが私よりも先に妹に出会っていたら…理想通りのカップルになっていたのかな？

あぁ、運命とは残虐なモノねぇ…今さら、どうしようも無いけど…。

彼氏の件だけでなく、妹の件も難題だと分かり、思わず、ため息が出てしまう今日この頃の姉であった。