第19話


「美味しい~~♪」


 キャサリン大絶賛。

 馬娘が巨乳を揺らしながらサラダを頬張っている。

 

「こんなに美味しいソース、初めてぇ~~」


 いやらしい感じなのに全然いやらしくない。

 なんでなんだ?

 馬娘だからか。

 マヨネーズは異世界でも大好評のようだ。


「お客さん、このソース売ってくれないかしら~~?」


「ブヒ?」


「定期的にうちの宿に卸してほしいのぉ~~!」


 困ったな。

 手作りだからすぐ食べないとなんだよね。


「たまにならいいかな……?」


「やったぁ!」


 作り方を教えてあげてもいいけど、面倒ごとになっても嫌だからやめておこう。

 


◇◆◇



>>>保有CP値:89300


 コーラルラビンを堪能して公衆浴場へと向かっている。

 保有CP値は今どのくらいかなと、確認してみたらものすごい溜まっている。

 体もパワーが漲っているのがわかる。

 

「そうなのかな?」


 このCP値って単なるカロリーポイントではないのかも。

 ただの食事だけでも増えるけど、魔力を含む食材を使った方が増える量が多いかもしれない。


「え?」


 【CP魔法】で出来ること。

 それをミリアナ様に尋ねるつもりで問いかけてみると、あっさりと答えは返ってきた。

 魔力使用、魔力放出、魔力強化、魔力変化、異世界渡航(地球⇔フラハイト)。

 最初の四つは魔法に関する基本的なことなんだろうか。

 問題は最後の一つ。

 異世界渡航だ。


「マジ?」


 異世界渡航の後ろに(地球⇔フラハイト)とあるから、限定した場所だけなんだろうけど、地球とおそらくこの世界フラハイトを行き来できるってこと?


「帰れるの……?」


 帰れなくてもしょうがないや、とか。

 こっちの世界のほうが楽しい、とか。

 そんな風に考えていたはずなのに。

 帰れるかもしれないとわかったら、涙が出てきた。

 

「ははは……」


 たしかに嫌なことも多かったけど、日本での生活も嫌いじゃない。

 失って初めてわかる大切さってやつなんだろうか。

 ああ、地球の料理の味が懐かしい。

 こっちの世界だって美味しいものはあるけど、日本には勝てない。


「10万か」


 迷宮の魔物を使ってもっと料理してみよう。

 仮説が正しければ、大したポイントではないぞ。

 もちろん、俺の大食い能力があればだけど。


「明日から、頑張るブヒ!」


 帰れるかもしれないと思ったら、次のタレントの仕事が心配になってきた。

 音信不通でマネージャーブチギレてないかな?

 ……やっぱり帰れなくてもいいかも?


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