第17話 キャサリン

「ちょうど金貨25枚であるぜぇ?容量は一番小さいけどなぁ」


「買ったブヒ!」


 バンダナおじさんにマジックバッグがないか尋ねてみた。

 これであぶく銭の金貨90枚もほとんど無くなってしまった。

 でも装備は充実したからまぁよし!


「どのくらい入るブヒ?」


「荷馬車くらいだなぁ。 ちなみに時間は止まらないぞ。 ああ冒険者なら魔物を倒してれば少しずつ容量は大きくなっていくらしいぜぇ」


「へぇ?」


 どういう原理なんだろう?

 成長するんだろうか。


「コーラルラビンか。 買い取るか?」


 迷宮の魔物も買い取ってくれる。

 バンダナおじさんはほんとなんでも屋だな。


「食べられるブヒ?」


「食べられるぞぉ! なかなか美味い」


「じゃあ自分で食べるブヒ」


 バンダナおじさんに調理のできる宿を聞いてみる。


「調理か……なら、太った仔馬の旅籠がおすすめだな。 新米の冒険者なんかが宿代と食費を減らせるようにって元冒険者がやってる宿だぁ」


 わりと料理は得意。

 お昼はステーキいっぱい食べたし、夜はサラダパーティーでいいかな。

 ドレッシングを探してみる。

 残念ながらマヨネーズはなさそうだ。

 塩、酢、卵、油。木で出来た泡立てられそうなやつ。

 作るのに必要な道具は全部あるなぁ。

 そんなに難しくないし作っちゃおうかな。


「こいつもおまけでやらぁ!」


 ワインや果物も追加で買っておまけで燻製肉までもらってしまった。

 なんのお肉だろう。

 食材は安めだけどコショウは高級品のようでなかったのが残念。

 フォレストウルフのステーキでも甘じょっぱいソースだったしね。

 あのソース売ってないかな。 冒険者ギルド秘伝のソースだったりするのだろうか?


 マジックバッグに全部収納して本日のお宿、『太った仔馬の旅籠』を目指す。

 場所的には冒険者ギルドの側らしいのでなんとかなるだろう。


「……」


 長屋のような宿を見つけた。

 陽気そうな太った仔馬がご飯を食べながら笑っている看板だ。 

 

「いらっしゃい~! 1泊2000ギルだよ~! どうする?」


 看板娘……馬娘?

 太った馬娘さんが出迎えてくれた。 

 フレンドリー接客だ。


「お願いしたいブヒ。 厨房も借りられるかな?」


「もちろんだよ~。 それがウリだからね!」


 リアクションが大きくて面白い。

 

「何をつくるの~? 食べたいなぁ~~?」


 鼻をくっつけてじゃれてくる馬娘さん。

 とっても胸がデカい。

 ちゃんと服は着ているし2足歩行だ。


「できたらおすそわけするブヒ!」


「嬉しい!」


 ちなみに馬娘さんのお名前はキャサリンだった。

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