配信:12 かまいたちのジロウ 【新企画】お前ら俺を助けろ!【相談】


「………」


 ▼CHAT▼______3


『miumiu56:こんスラー』

『松:ケモナーの時間だぁぁぁぁ!!』

『フギン771:おつ』



「……おっす!」

「こんスラ!」


 ▼CHAT▼______6


『フギン771:おつ』

『松:こんスラぁぁぁぁ!!』

『ふーみん:なんか気合入った挨拶だ』

『nyo-suke:こんスラ! タイトル気になるぜ兄貴ぃ』



「あ、タイトル?」

「……あー、あー、あー。そう!」

「それなんだよ!」

「ちょっとお前ら、聞いてくれ!」


 ▼CHAT▼______11


『松:いくら払えばいい?』

『ふーみん:聞くよー!』

『miumiu56:なーにー?』



「金くれとは言ってねーよ! ってかまだしゅーえきかってのしてねぇしな!?」

「じゃなくて!」

「いや、お前らも気づいてるとは思うけどよ」

「ウチの新企画……結構上手くいってるじゃん?」


 ▼CHAT▼______16


『nyo-suke:それな』

『ふーみん:ナツさんはよーやっとる』

『松:めっちゃ偉い』

『フギン771:順調よね』

『どっとまん:あっ(察し)』



「察するの早ぇーよ。でもその通りだよ」

「新企画なぁー……あれなー」


「……俺だけ! 何の成果も! 何の案も! ねぇーのよ!!!」



 ▼CHAT▼______22


『miumiu56:あー』

『ふーみん:あー』

『nyo-suke:あー』

『松:あー』

『フギン771:あー』

『どっとまん:あー(憐憫)』



「納得しかされてねぇ!!」

「くそっ、そして何も言い返せねぇ!」


「で、とにかく。とにかくだ!」

「ナツも俺のチャンネルがどうやったら盛り上がるかずーっと考えてくれてんだが、こうビシッてなる答えが出ないワケなのよ」


 ▼CHAT▼______28


『nyo-suke:配信頻度上がってたのそういう事情?』

『doridododon:なにこの配信?』

『フギン771:なるほどー』

『松:ナツさんでも無理かー』



「相談配信」

「っつーわけで。だ」


「お前ら、俺を助けろ!」


 ▼CHAT▼______35


『どっとまん:タイトル回収だ!』

『フギン771:予想はしてた』

『松:で、いくら払えばいい?』



「金は要らねぇ! チャンネル登録者数をくれ!」

「俺はオキナにも、ワビスケにも、ミオにも負けたくねぇ!」

「少なくとも、この勝負にもなってねぇ状況ってのが気に食わねぇ!」


「だから、知恵をくれ!」


 ▼CHAT▼______44


『松:金で登録者数を買う?』

『ふーみん:↑冗談でもやめるのだ』

『miumiu56:貸してじゃないんかーい!』

『松:ごめんなさぁぁぁぁい!』

『doridododon:チャンネル登録者数ってそんな大事?』



「大事だ」

「俺の中じゃこれは、同じ箱の中で競い合う勝負だからな」

「その数で優劣は決まらねぇが、序列があって、勝ち負けがある」


 ずいっ!


「だったら、てっぺん目指して勝ちてぇだろ?」


 ▼CHAT▼______50


『miumiu56:ひょう!』

『松:おっふ、ガチ恋距離!』

『みらく:こんばんスラッシュー。めっちゃいい場面に入ったー』

『フギン771:おお、決め顔だ』

『龍のお稚児:よう言うた。それでこそ漢や』



「ま、そんなわけで」

「今日は俺の配信に来る、お前らだから、頼らせてもらいてぇワケよ」

「何度か名前見てる奴らもいるし、俺の何かに惹かれてここに今来てる奴もいる」

「そんなお前らだから、相談するんだ」


 ▼CHAT▼______59


『妖怪博士:遅れました。相談とはどのようなお話でしょうか?』

『松:↑バズりたいので知恵をくれ』

『miumiu56:これは思ったより責任重大な予感』

『妖怪博士:委細承知』

『フギン771:なんかめっちゃこっぱずかしい』



「ばっ、うるせぇ!」

「こっちも恥を忍んで言ってるんだ! ってか、聞いたからには協力しろ!」

「俺を助けろー!!」



 ▼CHAT▼______71


『doridododon:面倒くさそうなので去りまーす』

『@φ@:謎配信www』

『みらく:力が欲しいか。ならばこの手を取るがいい……!』

『松:おい去るなら黙って去れ!』

『miumiu56:助けるって言っても、なんも浮かばないー!』



「あーあー、去る奴はしゃーねぇーしゃーねぇー」

「だいぶん変なことやろうとしてるってのは、箱のみんなに言われたからな」


「でも」

「だからこそ、賭ける価値があると思ってよ?」


「勝負ってのは、そういう博打も込みでやらねぇとな?」


 ▼CHAT▼______86


『龍のお稚児:よう言うた。それでこそ漢や』

『フギン771:勢いがあればよし!』

『みらく:こいつぁやるしかねぇ!』

『miumiu56:失敗してもいいってこと?』

『妖怪博士:ひとまずは、どのような配信をすればいいか、という話になりますか』



「そうそう、失敗上等よ!」

「やれるだけのことをやって、結果が出りゃ万々歳」


「どんな配信でも、とりあえず案が出たならなんかしらやってみる」

「そんな感じでやりてぇんだわ」


 ▼CHAT▼______95


『ふーみん:うーん……言ってる意味はわかるけど難しいね』

『みらく:覚悟はいいか? 俺はできてる!』

『妖怪博士:であれば、五樹の妖怪についての解説動画などはいかがでしょう?』

『miumiu56:失敗していいなら、ゲームの対戦配信とかどうー?』

『龍のお稚児:踊るがよい』

『声オタ@マエストロ:歌配信! ASMR!!』



「まぁまぁ、肩ひじ張って考えなくていいんだわ」

「お前らが俺にやって欲しいこと、教えてくれってくらいでな」

「解説は……オキナのが得意そうだしゲームの対戦? もミオのが盛り上がるだろう」

「歌の配信とASMRは、ワビスケがやってた奴だな」



「よし、全部やるわ」



 ▼CHAT▼_____110


『miumiu56:ほ?』

『みらく:全部だ! 全部!』

『松:撮影会してくれぇぇぇぇーーーー!!』

『妖怪博士:うおおおおーーー!!』

『龍のお稚児:踊りは?』

『声オタ@マエストロ:やったああああーーーーーーーーー!!!』



「やるやる、全部やる」

「撮影会もするぞ、踊りもする」

「おいナツ! メモ!」


 はーい!


「おっしゃ、どんどん案出せ!」


 ▼CHAT▼______128


『ふーみん:具体的に、ワンオやってとかでもいい感じ?』

『みらく:飲酒配信!』

『妖怪博士:コラボ、オキナ氏と座談会コラボを! 妖怪をテーマに!』

『龍のお稚児:よう言うた。それでこそ漢や』

『松:いよっしゃあああーーーー!!』

『ガラッパのミオ:対戦しよーぜ! ぶちのめしてやっから』

『どっとまん:なんか大喜利とかやったら面白くない?』



「おうおう、やっぱ餅は餅屋だな。出るわ出るわ」

「って、おうこらミオ! てめぇはお呼びじゃねぇんだわ!」


 バーカバーカ!


「バーカじゃねぇ! 入ってんぞ声!」


 ▼CHAT▼______145


『フギン771:い・つ・も・の』

『声オタ@マエストロ:実質ボイスコラボ! ありがとうございます!』

『超最強中二:初見です。私が来た!』

『ふーみん:ちゃん様とコラボとな?』



「ったく、ちょっかい出してきやがって」

「あー、今見てなかったが……ナツはメモ取れてるか?」


 とりあえずこれだけ。


「おう、おう、おう……あー、マジか対戦ってのはアリなのな?」


「じゃあやるわ。ミオとコラボ。オキナとのもやるやる」


 ▼CHAT▼______171


『miumiu56:やったーーーーーーーーー!!』

『妖怪博士:うおおおおーーーーーー!!』

『龍のお稚児:みなで踊るのがよい』

『声オタ@マエストロ:新しいヘッドホン買います』



「あー、他の奴絡むのは一応確認とってからな」

「でもま、やると言ったからには全力でぶちかますぜぇ、俺はよ」

「なにせこれこそが、この土俵での勝負手って奴だからな」


「ここが俺の、これが俺の」


 スッ、カチカチ!


「決め時って奴だろ」


 ▼CHAT▼______193


『フギン771:カマを装備した!』

『松:おっふ』

『声オタ@マエストロ:あr』

『どっとまん:いえーい!』



「っしゃー、んじゃ詰めてくからな!」

「今日は配信時間いっぱい使って俺のチャンネル盛り上げる計画練るぞ!」

「いいな!?」


 ▼CHAT▼______215


『松:で、どれだけ払えばいい?』

『声オタ@マエストロ:収益化を! 早く収益化をお願いします!! あるいはグッズ展開を!』

『ふーみん:かわいい見た目なのにかっこいいところがあるのが、ジロウさんの魅力だなぁ』

『みらく:ナツさんVtuberにしよう!』



「お?」

「おいおいナツー! お前Vtuberになれって……あ? 顔出しNG?」

「だってよ!」


「へっ。ふざけてねぇで行くぞ! まずは――」


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