『鱗雲』

ヒニヨル

『鱗雲』

ゆっくりと

雲が流れている


空を覆いつく程

鱗がひしめいていて

気がついた人の子が、

「雨が降るよ」と教えてくれた。


ぼくは、とてつもなく

大きな魚が悠然と

泳いでいる様を想像する。


隣のミケが、小さく鳴いて

雨をしのげる場所を

探しに行った。


ぼくは大きな欠伸をする。


そろそろ行かないと

どこからか

ぼくを呼ぶ声がする


寝床に戻ったら、

大きな魚の夢を見よう。



     Fin.





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『鱗雲』 ヒニヨル @hiniyoru

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