ゆきだるま

 人は一定時間日光を浴びないとうつ傾向になるらしい。北欧の冬は危険なのだそうだ。確かに、どんよりと暗い空が続くと気持ちがふさぐ。訳もなく悲しくなる。どうでもいい事で他者が許せなくなる。自身の過去の悪行を思い出して凹む。色々な事にやる気が出なくなる。ジャンクなものが欲しくなる。悪循環となり、負のスパイラルに陥る。

 暗い気持ちは雪玉のようなものである。悪いことには悪いことが引き寄せられて、積み重なってどんどん膨れ上がっていく。エイと思い切って外側からがしていくしかない。まずはTO-DOを片づける。簡単なものから始める。洗い物とか掃除とか、返事しないといけない何かとか。日常の作業は空しく感じられるものもあるが、そこは思考を停止してやり切る。とりあえず雪玉の外側が剥がれる。この雪は軽いので、やってみれば意外に簡単である。

 次に長期的な対策が必要なものに取り掛かる。氷になりかけた、ちょっと硬めの雪である。節約とかダイエットとか勉強とか、大変だけれど努力で何とかなる筈のもの。アンガーマネジメントとかもいいかも。完全クリアしなくても、軌道に乗ればそれでいい。時々休憩しながら続ければ展望は開ける。

 そして芯に残ったものは、自分ではどうしようもないもの。他者が変わってくれないと解決出来ない事柄であったり、それこそ病気や災害であったり。もはや雪玉ではない。石である。溶けないし、壊れない。無理である。

 けれど最初の雪玉に比べたら大きさは小さい。だから無視する。感情の上でね。楽しいことで相殺そうさいする。美味しくて体に良いものを食べる。しっかり睡眠をとる。友達と御飯を食べに行く。友達との会話は効果がある。楽しい話はもちろんだが、例え愚痴の言い合いであったとしても、物凄くリフレッシュできる。ただし、お付き合いで行くランチではなく、本当の友達とに限ります。

 そして読書。非日常を楽しむ。良い本に出合った時は本当に幸せだ。図書館には様々な体験があふれている。夢の国である。

 友人の家の近くの図書館がしばらく休業するとのことで「もう少し本を借りておけばよかった」と言うのを聞いて、自分も年末年始用に借りに行こうとしたら、すでに閉まっていた。しかも返却用のポストの口が紙で塞がれていた。いや、返却ぐらいさせてくださいよ。

 本が借りられないのでカクヨムで何とかするか。と思ったが、続けて読みたいと思う作品があまり見つからない。検索がまだ上手くできないだけなのかもしれないが、私が好きなジャンルの作品を投稿する人が、そもそも少ないのだろうと思う。人気の作品はいまいち好みではない。という事は大多数の人が私の作品を読んでも面白くないわけだ。と納得する。

 何か恐ろしいこと書いてますね、私。

 話をらすことにします。寒いので布団から出るのと着替えるのが辛い。家族が居ない時にはファンヒーターの前で着替えたりする。仏壇の横の遺影が見ているけれど、背に腹は代えられない。我慢してもらうことにする。家族がいる時はさすがに出来ない。洗面所の鏡の前で着替えることになる。ナイスバディが鏡に映る (T_T) いや、これは長期的な展望がゴニョゴニョ……。雪だるまがモゴモゴ……。偉そうなことを書いたから罰が当たった。

 キリスト教には「懺悔ざんげ」というものがあるらしい。正しくは「告解」と言ってカトリックだけなんだって。知らんかった。神父様に懺悔を聞いてもらって赦しを得る儀式なのかな。自分の罪を告白するって、考えてみたら恐ろしい。

 必ず赦してもらえるのだろうか。でも赦されることを前提としたものなら、逆に意味が無いようにも思う。赦されない可能性があってこその告白であって懺悔ではないのかとも思う。

 その場限りの罰を受けて帳消しチャラに出来るなら、ありがたい事かもしれない。悪いこと嫌なことがあったとき、これは過去の悪行の罰で一つ赦されたと思うことで気持ちを落ち着かせることがある。あくまでも自分に限ってである。不幸にあった人に対して「行いが悪いから罰が当たった」なんてことは言いません。でも嫌な奴だったら「ざまあみろ」って思うかも。人を呪わば穴二つである。気を付けよう。

 大昔、電卓で18782(嫌な奴)+18782(嫌な奴)=37564(皆殺し)となるというのを知って、友達親子の前で披露したら「うちの子が家でそれやったら説教やで」と言われた。ごめんなさい。

 子供の前で冗談でも悪い見本を見せてはいけないのかもしれない。小さい子が信号待ちをしている時は、ほんの数歩の道でもちゃんと信号待ちをすることにしている。

 曲がって来る車を先に行かせたら、車の方が交通違反になるらしい。そうなんだ~。いつも先に行ってもらってた。だって有無を言わさず曲がって来る車もあるんだもん。そっちは点数引かれるだけだけど、こっちは命が掛かってるからさあ。まだ死にたくないもんでねえ。

 これからは一旦待って、車も待ってくれたら渡ることにしよう。そして同時に動き出す。武勇伝武勇伝あぶないあぶない

 危ないと言えば、パンっぽいスナックをオーブントースターで焼いてみた。焼けた匂いがしてきたから見てみたら真っ黒な炭になっていた。あらら~と思って扉を開けた途端、まさかのバックドラフト現象が起こり、炎が上がった。あわてて扉を閉め、また開けては閉めを繰り返し(混乱メダパニ)、思いついて水を掛けた。

 夜になって、子供会かな? 火の用心の声が聞こえた。

「餅は焼いても家焼くな」。

 はい。肝に銘じます。


 皆さま、良いお年を。

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耳から始まる連想ゲーム 古村あきら @komura_akira

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