第19話 過ぎ行く日常


 朝起きて、壁に「三」と印をつける。

 ゾンビ襲撃から三日目。

 この異世界に転生してからは、十日が過ぎた。


 朝ごはんを食べて、日々のルーティンをこなして、お昼からはお散歩することにした。

 シャルと一緒に森の中を歩く。

 今日はちょっと遠出してみよう。

 森の中をしばらく歩くと、一気に視界が開けた。

 森を抜けて、草原に出た。


 おお、初めて森の外に出たけど、外は草原になってるのか。

 草原は森とはまた違った動物とかいそうだな。

 すると、さっそく新しい動物を見つけた。


「牛だ……!」

「ワンワン!」


 草原には何頭か牛がいた。

 牛っていったら、家畜の代表だよね。

 牛乳もとれるし、牛肉もおいしい!

 

 私はさっそく牛をテイムした。

 牛は4頭いて、それぞれウッシ、ウシゾウ、ウシコ、ウシシと名付けた。

 それから、馬も2頭見つけた。

 馬もテイムして、スーホ、ホセ、と名付けた。


 馬が手に入ったのは、うれしいね。

 馬に乗ったら、かなり遠くまでいける。

 街にいったりするときに便利そうだ。

 まあ、とりあえず今はまだ街にいく予定はないけどね。


 家に帰ったら、もう夕方だった。

 残った時間で、馬小屋と牛舎を建てた。


 そして翌朝。

 朝起きて、壁に「四」と刻む。

 牛舎にいってみると、牛乳がとれたので、朝食にパンと一緒に食べた。

 やっぱパンには牛乳だよね。

 これがあるとないとでは、2倍くらい美味しさが違う。


 ルーティンの採掘作業では、今日はなんと、ダイアモンドがとれた。

 っていっても、まだ一個だけだけどね。

 それから、いくつか金も手に入った。

 家の近くでこんなにレアな鉱石が手に入るなんて、すごい。

 売ればかなりの額になるんじゃないかな。

 でも、クラフト素材としてもいろいろ使いそうだからな、売らないでおこう。


 ダイアモンドのつるはしとか、ダイアモンドの剣とかも作れるみたいだ。

 かなり強度がいいみたいだから、一本くらい作ってみたいけど、まだダイアモンド一個しかないから作れない。

 今度、一度がっつり採掘に一日当ててもいいかもな。

 ダイアモンドもっと欲しい。

 ダイアモンドのゴーレムとかも強そうだ。


 あとは、罠とかも強化しておきたいよなぁ。

 あっというまに四日目だし、すぐにゾンビ襲撃がきてしまう。

 次のゾンビ襲撃までにはもっと防衛設備を整えたいけど、なにせ時間がない。

 あれこれやりたいことはあるんだけど、毎日いろいろやってると、すぐに時間がすぎてしまう。


 昼間からは家具作りをした。

 家にはまだ机と椅子があるだけで、いろいろ足りないものがあるからね。

 メープルに羊毛がまた生えていたので、それをいただいて、ソファを作ったよ。



 ◆ソファ

 必要素材

 ・羊毛×3

 ・木材ブロック×3

 

 

 ソファの座り心地は最高だった。

 うん、これであとテレビとポテチがあれば最高なんだけどな。

 あと、カボチャ(キャンプキン)を使って、ランプを作ってみた。



 ◆キャンプキンランプ

 必要素材

  ・キャンプキン×1

  ・松明×1



 普通に松明を置くよりも、なんだかおしゃれだ。

 家の中に置いてある松明を何個かランプに置き換えた。

 ベッドルームとかは、これで結構雰囲気でたな。


 夕方になって、風呂の準備をしていると、木の上から、いきなり蜘蛛が降りてきた。


「うわ……!?」


 びっくりした。

 蜘蛛って苦手なんだよな……。

 これ、モンスター……?

 襲ってくるのかな……?


 しかし、蜘蛛は襲ってくるどころか、私に果物を差し出した。

 蜘蛛が差し出しているのは、どうやらオレンジのようだ。


「これ……私にくれるの……?」

「きゅる~」

「あ、ありがとう」


 蜘蛛からオレンジをもらった。

 どうやら敵意はなさそうだな……。

 てか、蜘蛛って人になつくのか?

 よくみたら、ちょっと可愛いかもしれない。

 テイムしてみるか。


【クローズスパイダー×1 をテイムしました】


 名前はキュルル。

 鳴き声にちなんだ。

 てか、クローズスパイダー……?

 クローズって、布のこと……?

 もしかして……。


 すると、キュルルは口から糸を吐き出した。

 糸は幾重にも折り重なり、しだいに布のようになっていった。


「やっぱり……! これは……!」

 

 キュルルは完成した布を私に差し出した。

 インベントリにしまうと、【布×1】となった。


「おお……! 念願の布ゲットだ!」


 まさか布が蜘蛛から得られるものだとは……。

 でも、これはラッキーだ。

 棚から牡丹餅ならぬ、蜘蛛から布とオレンジだな。




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【あとがき】


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