魁!倖狼キリ

中嶋條治

第1話 天狼界からはるばると!

1

「こんキリ〜! みんなを笑顔にする為に、天狼界からやって来たボクっ娘狼! 倖狼キリだよ。宜しくね!」

「きゃあ〜〜! 可愛い〜〜!!」


東京のど真ん中、松屋銀座の入り口の目の前で、人狼の若者・倖狼キリが普段から言い慣れた決め台詞を、2人組の少女に対して口にしていた。


そんな人狼の彼女は獣の耳を生やし、薄い茶髪。中性的な顔立ちと体躯、そして声。小豆色のジャンパーを羽織り、首元には髪の毛と同系色のボアが付いている。指には狼と見紛う程の鋭い爪が付いており、いかつさがありつつも薄い桃色のマニキュアを施すお洒落を欠かしていなかった。


日曜日の昼下がりである。快晴の銀座中央通りは歩行者天国になっていて、歩道と車道どちらも多くの人で賑わいを見せていた。

酷暑と言うべきだった今年の夏はまだしも、彼岸が過ぎて、朝夕には肌寒さを感じるようになってきた今時分になると、休日に出歩く人は明らかに増えてきていた。


キリはそんな秋晴れの日に、松屋銀座へルームシェア仲間の佐藤ちゃんと2人で遊びに来ていた。松屋へ来たと言っても買い物ではない。8階のイベントスペースで行われているキン肉マン展を見に来たのである。

キン肉マン好きを公言しているキリは会場内で終始テンションが高く、同行している「佐藤ちゃん」こと佐藤は正直気が気で無かったが、最後まで暴走が無く終わり、ひと安心していた。


倖狼キリは本物の人狼の配信者として人気を集めており、松屋銀座のイベントスペースでも多くの人から視線を集めていた。その内のひと組が、松屋銀座の出口でキリに勇気を振り絞って声をかけて来たわけである。

キリは快くファンの声掛けに応えて、決め台詞を口にするなどのファンサービスを行っていたのだった。


「いや〜、まさか銀座で声をかけてもらえるなんて。この流れで渋谷センター街にでも行っちゃう? それとも原宿の竹下通りにでも行こうかな?」

普段、狼の見た目から避けられる事も多いキリにとって、ファンから声をかけてもらえるのは非常に嬉しい事であった。

「はしゃがない。そんな所に行ったら大混乱になるでしょ」

佐藤は浮かれていたキリをピシャリと制する。こういうストッパー役こそ、佐藤の非常に重要な役割だと言えた。

「配信の準備があるでしょ。もう今日は帰ろう」

キリは渋々と従うしかなかった。


そんな2人の様子を、10メートル以上後方からサングラス越しに見ている男がいる。


男はスマホをポケットから取り出すとビデオを起動し、録画を始めてキリ達にレンズを向けた。なるべく周囲から撮影とバレないように、自然体でいる事を意識する。画面を操作して何か調べている風を装いつつ、5秒程回すとカメラを止めてスマホをしまった。

写真を撮れば良かったのだが、下手にシャッター音を出すとバレる恐れがあった。消音がウッカリ出来ていなかった場合のリスクを考えたのである。


彼は、今日はこのままキリ達の家まで尾行して、そこで作戦を遂行する算段を立てていた。


その作戦とは……


その時、ポケットにしまったばかりのスマホに着信が入った。

男は一瞬、ビクッと身体を震わせた。このような休日の真っ昼間に電話をかけてくるような人物は、彼の交友関係の中ではかなり少ないのだ。


既に汗ばんできた手でスマホを取り出して画面を見ると、男は更に冷や汗を額に浮かべる。

電話に出ると、電話口から荘厳さを纏った低く鋭い声が男の耳に押し入ってきた。


「ワシが、天狼界長老・江田島平八狼である」


男は、その言葉を聞くやいなや、電話口の人物が目の前に居るかのように背筋を伸ばし、足を揃えた。さながら軍人のようだった。


「偉大なる空に輝く富士山の星にして長老様」

声を震わせては一大事だと、必死で一言一句を口にした。劇団四季の団員のように、一つの文字を粒立てて話していく。

「挨拶は良い。倖狼キリはいつ帰郷の説得に応じる? 出来ませんでは良心が無い」

「はい、明日……必ずや明日には……」

「また連絡する。努力しなさい」

江田島は電話を切る。

男は過呼吸気味になり、その場にうずくまるしかなかった。

「大変だ、いきなり人が倒れたぞ」

親切な通行人が男を介抱してやる中、この男・中嶋ジョージアの脳内は焦燥感でパンクしそうになっていた。



2


2ヶ月前。天狼界。

この日、倖狼キリは長老ら天狼界の代表達が出席する式典の手伝いに忙殺されていた。


帰還する人間界の使節団を送り出すのである。

天狼界は、古くから人間界と些少ながら交わりを持ってきたが、異界の者同士と言うこともあり、殆ど大々的な交易はなされて来なかった。

それが近年、日本をはじめ多くの人間界のエンタメが天狼界に入ってきた事で人間界ブームが起こり、初の公式使節団を互いに送るようにまでなってきたのである。


特にキリ達若い層は、人間界のエンタメに目が無かった。

長老でさえも、何故か使節の人間が献上した品の中に紛れ込んでいた『魁!男塾』を読んで感銘を受けてしまい、以来話をする時は決まって「ワシが天狼界長老、江田島平八狼である」と、男塾塾長の真似をするようになっていた。


長老の親類にあたるキリも男塾やキン肉マンを愛読し、YouTubeでテーマソングを毎日のように聞くようになるほどののめり込みであった。


そんなキリは、式典の準備中も心ここに在らずと言った雰囲気で、常に浮つき、ソワソワとしていた。

キリは人間界に降ろうとしていたのである。


理由はもちろん、人間界の文化に触れたいからと言うのもあるが、使節団に居た佐藤の発言がトドメとなっていた。

初めてキリが佐藤と会った時、佐藤はキリの中性的な美しく可愛いらしい響きの声に感嘆し、

「緒方恵美みたいな声だ。人間界でもイケボ配信者として十分通用しますよ」

と言ったのである。多少のリップサービスは込めていたし、周りもそうだろうと認識していたが、佐藤は本心で発言していた。そしてキリは、そんな佐藤の心底を人狼の研ぎ澄まされた勘で察していた。


キリは、現在の人間界、特に日本に行く事を望んでいたが、それは漫画やアニメだけが理由ではない。


「こんなに楽しい作品を数多く作ってる国なのに、どうして……?」

キリは滞在中の佐藤から、現代日本の大体の状況を聞かされ、イメージからだいぶ乖離した内容に驚きを隠せなかった。

日本は30年間続く経済の停滞で、日常に暗い影を落としている。自殺者は主要7カ国の中で最多であり、給与が少ない現状を更に苦しめる増税、資材・原材料高騰によるインフレ、円安、少子高齢化…挙げればきりが無いほどの問題を抱えている。

てっきり、希望に満ち溢れた明るい国だと思っていたのだが、そうでは無かった。

「みんな、毎日楽しい?」

「どうかな……人によるだろうけど、少なく無い人が、心に余裕が無くなりつつあるのは確かだね」

「……そうなんだ」

キリは下を向いている。佐藤は、キリが抱く理想をぶち壊してしまったのかと思い、慌てて

「まあ、これは一面から見た日本だから。他の面からみたら、魅力はまだあるよ。良かったらいつだって遊びに来てくれよな」

と、フォローになっているのか分からないフォローをしてみる。

しかし、キリは失望していたわけでは無かった。

むしろ、人間界の日本に行く事を明確に決断するトリガーとなった。

「佐藤ちゃん。僕、人間界に行くよ」

佐藤は驚きの表情でキリを見た。顔を上げたキリの瞳からは、固い決意の炎が燃え盛り、恒星のような眩い輝きを放っていた。

「みんなを笑顔にするために!!」



もし、人間界……特に日本とより深い交流が天狼界との間に出来ていれば、キリは「半ば亡命」と言う強硬手段など取らなくとも、留学などの名目で如何様にもやり方があったのだが、お互いそこまでには至っていない。

それまで何年待てば良いのか。1年か、2年か、5年か?

そう思った時、キリはこの使節団の帰国を決行の唯一の機会だと心に決めたのだった。



使節団帰国のセレモニーはつつがなく終わり、彼らは人間界に帰って行った。

人間界に着いた時、使節団一行は団員が1人多い事に今更ながら気が付いた。

キリはその場でフードを取って自白した。

「……来ちゃった」

佐藤以外の団員が肝を潰したのは言うまでも無い。


その後、キリは佐藤の家に居候をする事となり、家に置いて頂くんだからある程度は稼がなきゃと、家事全般の他に配信の仕事を早速行った。

結果は大好評で、政治・外交的問題はともかく、人狼キリの魅力は疲れた日本人の何人かを癒せる事が証明されたのである。



3


天狼界の方は、言うまでもなくキリ失踪で大騒ぎになっており、もしや使節団が拉致したのでは…と言う過激な意見まで出始めていた。

しかし、キリの配信者デビューが天狼界にまで伝わると、自分の意思で人間界へ行った事が分かり、益々天狼人を困惑させた。

親戚であり、天狼界の実質的代表である長老・江田島平八狼は、必ずキリを連れ戻させるよう部下達に厳命した。


だが、異世界通信が可能な長距離電話でキリに連絡を何度しても、答えは変わらなかった。

「まだ日本のみんなを笑顔にしきれていないから」

との事である。

長老は、天狼界の者では最早説得不可能だと感じており、ある男に白羽の矢を立てた。


その男は日本人で、何処からともなく現れてそのまま天狼界に住み着いた風来坊だった。

就職にあぶれて自棄になっていたら、いつの間にか天狼界にまで辿り着いており、ひとまず下宿している先で清掃員として働いている若者で、名前を中嶋ジョージアと言った。


早速中嶋は、長老の元へ連行された。中嶋は突然の長老の呼び出しに震え、いよいよ強制送還かと覚悟していた。


「ワシが、天狼界長老・江田島平八狼である」

この決め台詞を聞くたびに中嶋は笑い転げるのであるが、今回ばかりは鋼鉄の意志で笑いを噛み殺していた。

「倖狼キリを知っておろう」

「はい。何度かお会いして話もしてます」

「あ奴が、無断で人間界に降りよった。日本におる事だけは分かっておる」

中嶋は驚きを禁じ得なかった。キリは長老の親戚であり、天狼界での地位も決して低くは無いと知っていたからだ。

「なぜ、また」

「日本かぶれであろうが……向こうでライブ配信デビューまでしたそうじゃ」

「やりますなぁ。人気出そう」

キリが配信している様を想像した中嶋は思わず正直な思いを口にした。

「喝!」

「ひでぶっ!」

長老の鉄拳制裁を喰らってしまい、凄まじいダメージを受けた中嶋だが、下手人の長老は構わず続けた。

「キリがやるのだ。可愛いに決まっておろう」

「パワハラしながら親バカかまさないで下さいよ」

再び、余計な一言。

「チェスト!」

「あべし!」

今度は多少マイルドになったな、と、殴られた部分をさすりながら中嶋は思った。

「とにかく、キリは全くこちらの言うことを聞かん。この際だ、日本人の貴様ならば、もしかしたら説得に応じるかも知れぬと思い、白羽の矢を立てたのじゃ」

中嶋は、パワハラの痛みがすっ飛んでしまう。

「わ、私が説得を!? キリさんに帰ってこいと言うことですか!?」

「まあ、キリは今人間界だからな。実質そうなるか」

「私は出稼ぎでここにいるので……実家に戻れない事は無いですが、収入が途絶えるのは辛いですな」

「分かっとる。ちゃんと報酬や必要経費は出す」

中嶋はホッとしつつ

「ちなみにお幾らですか?」

「成功報酬は、人間界換算で100万円でどうか」

「やります!」

キリと戦えと言うのであれば、例え10億円積まれても断っていた。人間と人狼では身体能力が違いすぎるからだ。しかし説得であれば不可能ではない。

「では、行け! 事は一刻を争うぞ」



4


こうした経緯で、中嶋ジョージアは日本に戻ってきていた。

しかし中嶋は、初戦から出鼻を挫かれる。


最初に会ったのは、キリの散歩コースの路上だった。

待ち構えていた中嶋は、走ってくるキリの前に出てきて

「キリさん、お久しぶりです」

と言った。キリはいきなり出てきた珍しくも懐かしい人物に目を丸くして、

「あれ、中嶋さん!? こんきり〜! いつこっちに里帰りしたの?」

「こんきりです。今日はその里帰りの件でお話が」

キリは中嶋の言葉に少し後ずさる。

「もしかして……」

中嶋も身構えて、言葉をつづけようとする

「僕のリスナーになりたいって事かな!?」

違う! と、中嶋はずっこけながらツッコミを入れた。

「長老さんから頼まれたんです!」

「ええっ! ワシが天狼界長老・江田島平八狼であるさんから?」

声真似をして言うものだから、中嶋は笑い転げた。そのあと、落ち着いてから言葉を続けた。

「天狼界に戻って欲しいのです」

「断るよ!」

キリはキリッとした表情で即答した。

「即答ですか!?」

「勿論だよ。僕はまだ日本のみんなを笑顔にしきれてないし、いきなり帰ったらリスナーさんたちが悲しんじゃうもん」

「そこをなんとか」

中嶋は食い下がるが、全く聞かないキリは人狼ではあるが、脱兎の如く駆け出した。



現在・銀座。

中嶋は発作からようやく立ち直り、キリ達を少し探してから後をついていった。

キリたちは電車を乗り継いで、都内の住宅街にあるアパートに同棲していた。


その家を見て、中嶋は早速「衣装」に着替えて、作戦に入った。



家の中では、キリが配信の準備を、佐藤が夕飯の準備をしているところだった。

そこへ、玄関に設置してある来客用のチャイムが鳴る。

「誰だろう? 宅配かな」

キリが訊くが、佐藤同様、心当たりがない。

「電報ー!」

ドアの外に立つ人間の発した言葉に、二人は耳を疑った。

「え? 佐藤ちゃん、聞いた?」

「うん。電報らしいな」

「今時電報?」

不審に思ったキリは、少し身構えつつ玄関に向かった。

「は〜い」

ドアを開くと、そこにいたのは黒い郵便局員の制服を着て、着帽している男だった。

「倖狼キリさんはこちらでしょうか?」

郵便局員が手に持つ電報らしき紙を見ながらキリに訊く。住所が書かれてあるのだろう。

「ええ、そうですが」

「こちら、電報です」

局員がキリに手渡しすると会釈をし、すぐに自転車に乗り去っていった。

「本当にキリ宛の電報だったの?」

「うん、でも、一体誰が」

紙を開くと、そこにはカタカナでこう書かれてあった。


チョウロウキトク スグカエレ テンロウカイ


「ええっ!」

キリの素っ頓狂な声に、佐藤も慌てて電報の文面に目を通した。

「まさか。もしそうなら僕の方にも何かしらの連絡があって良いはずなんだけど」

「これは……ちょっとごめん佐藤ちゃん。高くなっちゃうんだけど、天狼界へのホットライン、繋げてもらっていい?」

「もちろんだよ」

キリは佐藤の電話機を借りて、天狼界に電話をかけた。

「あ、お父さん? うん、お久しぶり。元気だよ。………そう。でね? 今電報で長老が危篤だって言う連絡があったんだけど。うん。元気? 今朝も男塾塾長のマネが絶好調だった? 分かった。ありがとう。大好きだよ」

やはり誤報だった。虚報と言っても良いのかもしれない。

「何なんだろう、この電報」

佐藤は少し考えたのち、こう続けた。

「キリちゃん。今君が天狼界に帰って喜ぶ人間って、誰かな」

「う〜ん、ライバルのライバーさん?」

「そりゃまあそうだけど、他にいるでしょ」

「……あ、中嶋さんや長老か」

「わざわざ人を雇っているくらいだからね。多分騙そうとしていたんだと思うよ」

「こんな電報まで送らせて」

「それなんだけど、本物かな」

「へ?」

「だってそれ、手書きやん」

「あ」



おかしい。キリが出てこない。

中嶋は近くの塀の影から佐藤の家を見ていたが、全く人が出てくる機会がない。

予想では、大慌てでキリが家から飛び出し、そのまま天狼界に飛んで帰ると踏んでいたのだが、全く空振りになりそうだ。

「仕方ない。プランBだ」

中嶋は帽子を被り直した。



「電報ー!」

来客用のチャイムが鳴り、再び電報の声が聞こえてきた。

キリはもう一度立ち上がり、玄関に向かった。

「はい」

「倖狼さんですね。電報です」

キリは手渡しされた電報を開く。


チチキトク スグカエレ テンロウカイ


と、書かれてある。

「では」

と、局員が踵を返したところを、キリが止めに入った。

「ちょっと、中嶋さん」

「はい?」

振り向いた瞬間、中嶋は「しまった」と思わず口に出した。

「ついさっき、僕はお父さんと電話したんだよ」

「ひえええ」

「天狼界との電話代は高いんだから! それに不謹慎だよ!」

中嶋は足が震え、逃げようにも逃げられない。

「この世の悪は僕が許さない! これでも食らえ〜っ!!」

キリは極真仕込みの正拳突きを中嶋に連発し、最後の一発を思い切り喰らわせた。

「だ〜〜〜〜〜っ! やな感じぃ〜〜〜〜!!」

中嶋は遥か上空に吹き飛ばされ、夕暮れの迫る空に消えていった。

「ふう」

「キリちゃん、大丈夫か?」

「うん。悪は滅ぼしたよ」

キメ顔で宣言したキリを見て、佐藤は思わず笑い出した。太宰治の『富嶽百景』にも出てきたが、絶対の頼もしさを目の前にすると、人間は笑うしかない。自分はキリにとって頼もしい存在になれているのだろうか、と一瞬不安になったが、キリの笑顔でその不安はひとまず霧散した。



5


中嶋は、キリの家の近くにある公園の木々に墜落してしまい、一生懸命に地面へ降りている最中だった。

そこへ、天狼界の使いであるケロちゃんと言う妖精が飛んできた。

「はっ! ケロちゃん!!」

ケロちゃんは中嶋に銃口を突きつけた。

「携帯出ろよなあ。逃げたんじゃないかと思って心配しちまったよ……と、長老のお言葉です」

「こ、こういう事情でして」

「うん、任務失敗ですね」

中嶋の顔は蒼白になる。

「さて、今オンラインで長老と繋がっています。

ケロちゃんはiPadを掲げて画面を中嶋に見せた。江田島平八狼が怒髪天の様相で写っている。もっとも、髪の毛は殆ど残っていないのだが。

「わしが、天狼界長老、江田島平八狼である」

「はい、存じております」

「任務に失敗したな!」

江田島の勢いに、中嶋は押し黙るしかない。

「ワレ、お仕置きだべ!」

「キャラが被ってますよ、長老様」

ケロちゃんのクールなツッコミが、中嶋には全く笑えなかった。


その後、中嶋は日本国内にいる天狼界の領事館的施設で、1ヶ月の間便所掃除の刑に処されたのであった。


どっとはらい。

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