古代魔法 試練の間

 お前ら握りすぎじゃないか?このままだと俺の腕は幸せに包まれて使い物になくなる。


 ―古代の魔法を探知しました。奥に、お宝の反応もあり。


「古代魔法?」


 ―古代魔法とは、魔法使いが使う魔法は異なり、原初の魔法であります。所有者であるヤエハヤト様専用です。いくつかの種類を上げます。


 ひとつめは、スペルマジック。指で書いた呪文を発動できます。古代の魔法は、ファイアーボールのような威力の少ない魔法とは違い。ファイアボールの原初にあたる強力な魔法となります。


 ふたつめは、封印魔法です。魔法を一時的に封じる魔法となります。これもパラライズの原初にあたる魔法となります。使いどころによって役に立つかと思います。古代魔法は他にもダンジョン内あるようです。ぜひ、さがしてみてにゃん♡。


「にゃん♡じゃねーよ!」


 ♢ 


 ついにお宝の間を発見した俺たちは、台座の上に宝箱がひとつだけ置いてある。ひとつだけというのがとてもあやしい。


「わたしがさきよ!!」

「いえ、わたくしが!!」


 はっ⁉いつのまにか俺のそばから離れて宝箱の近くにいる。


 ―わ。


 宝箱を開ける。キィィィという音がダンジョン内に響く。そして、罠って今言いそうだったけどなにもなくね?。


「はやとーからっぽー」

「なにもないですー」

 はずれか。しかし二人は、俺の後ろを指さして口をパクパクさせて今にも泣きそうだ。

「うううしろ」

「お、おばば」


 ふと振り返ると、黒いボロボロのローブを纏い、顔は見えない。灰色のズボンにシルバーの靴、


 剣を片手に持っているようだが、聖剣なのか?光り輝いているように見える。


「うわわあああ」


 何者かの声が聞こえる。ここは、試練の間。我は、ペン・デュラス・ベイクド・シャルアー。古代の魔道剣士。そなたに試練を与える。我の古代魔法が欲しければ、我と決闘し力を見せよ。


 魔道剣士は、聖剣らしき剣を大きく天にかざすと赤、黄色、緑、紫といったピンポン玉くらいの精霊が剣の周囲を漂っている。赤い精霊からいくつもの炎があふれ出る。次に黄色い精霊の雷が雷鳴とともに槍のような形状になって現れ緑の精霊が土の弾丸を生成している。


 俺は、魔剣なしの状態で回避に専念するしかない。ふとももを炎が掠めていく。じゅわとズボンが焼き切れるが追撃に雷の槍が頭上から降り注いできた。一発でも当たったら麻痺状態になる可能性がある。避けている俺の行動を予測して土の弾丸が狙いを定めてこちらに放ってきた。


 ダンスのステップをするかのように動きを読まれないようにしていく。

 精霊の攻撃が終わると魔道剣士の剣技が来る。右、左、下、真ん中、俺の動きを封じるのが目的なのか?楽しんでいるのか?必死に避ける。





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