第8話



疲れた…ヘトヘトだ…。早く家に帰りたい…。

一歩一歩、疲れた体を引きずって前に進む。

お腹すいたなあ、と思うと同時に調味料としわしわの野菜の使いかけしか入っていない冷蔵庫を思い出す。はぁ…外食する気力もない。帰り道にあるコンビニへよって帰ろう。


ピークを過ぎたのかおにぎりやお弁当、パンの棚もガラガラだった。かろうじて残っていたパスタを買って帰路へつく。

もう少し、もうちょっと。

家の鍵をあけ、なんとか手洗いうがいをしてカーペットに座り込む。横になるともう起き上がれない気がするのでグッと我慢。もうお弁当を温めるのも面倒で冷えたまま食べることにした。

スピリチュアルにハマってから食生活を変えた。食べ物にこだわりがなかった私が新鮮な食材で自分のために心を込めて料理をした。食べたくなったときはジャンクフードも食べたが、今のようにただ空腹だからとりあえず食べ物を食べる、というのは久しぶりだった。なんだか気分と波動が落ちて行く気がするので一回深呼吸。

良いように考えてみると、このコンビニのパスタだって誰かが一生懸命考えてレシピを作り出し、使われている食材だって大地や海から生まれている。エネルギーが全くのゼロではないはず。添加物のことは今だけちょっと忘れておこう。

プラスチックのフタをあけ、いただきます。と感謝をするとなんだかパスタからエネルギーを感じる気がしてきた。

うん、大丈夫大丈夫。そんな日もある。

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