第5話

一体これからどうなるのか…頭がぐるぐる、胸がどきどき。落ち着かない。

何度目かのため息をつく。

今日は検査の日、結果は後日というけれど…。

自分の番号が呼ばれるのを待つ。待合室で待つ人々はどんな気持ちなんだろう。

疲れているように見えるのは、待ちくたびれたのか、体調が悪いのか…。

暗い気持ちでいっぱいになる。涙が出そうになったので目を閉じる。

そうだ、このままグラウンディングしようかな…。


呼吸に意識をして、できるだけ心を静かにしよう。

そこでふと、YouTubeで見た愛のワークを思い出した。なんかやったらいい気がするぞ。

頭からつま先まで余すところなくしっかりとピンク色の綿に包まれているイメージをする。


今の私には派手派手なショッキングピンクの綿がイメージに出てきた。こんな時って優しいピンクじゃないの、と自分でおかしくなる。


気を取り直して…

綿に包まれるとそこには辛さも悲しみも痛みもない、ただ愛しかない安心できる空間。そこで落ち着くまでしっかり愛を感じる。


カシャンと物が落ちた音に少し驚いて目を開けた。

そしてなんとなくここの待合室にも愛のワークをしようと思った。

自分を包んでいた綿を広げて待合室全体を綿で包んだ。そして建物全体に、街に、地球に広げていった。


気持ちを落ち着けようと思っただけなのになんだか壮大なワークになってしまった。

まだ緊張は無くならないけど、スッキリして「今」にちゃんと立っている。


私を待っていたように呼び出し番号が呼ばれる。よーし、なるようになる!

気合を入れるように、ハイ!と返事をした。

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