歌舞伎町スラッシャー
かわしマン
プロローグ
プロローグ
愛はお金で買えないんだよって言われた。本当なのかな?
確かに買えないかもしれない。でもこれだけは言える。
お金がないと愛なんて手に入れることは出来ないよ。ずっと私はそう思ってるんだ。
私は愛されたことがないの。それはきっとお金がなかったから。
ねぇ知ってる?貧乏な家の、親がちゃんと愛してくれない子供の所にはサンタクロースって来ないんだよ。ずっと良い子にしてたのに。
私みたいな恵まれない環境にいる子供の所にこそサンタクロースは来るべきだってそう思わない?
サンタクロースって子供に夢を見せるのが仕事でしょ。
なのになんで差別するの?そんなに汚くて狭くて散らかっている、ボロボロな私の家には来たくなかったのかな?
誕生日プレゼントさえパパもママもくれない。そんな可哀想な私の所に来てほしかったな。
何度も何度も何度も心の中でお願いしたのにな。なんでサンタクロースさん来ないのってずっとクリスマスの日は泣いてたよ。大きな声を上げて泣いたよ。
そんな私の泣き声がうるさいから黙れって怒ったパパは私の事を何度も何度も殴ったの。
ブスで生意気で馬鹿なお前が嫌いだからサンタクロースは来ないんだよ。サンタクロースが来ないのはお前が悪い子供だからだよって、そう怒鳴りながら殴ってきたよ。本当に痛かった。
殴り疲れたパパがパチンコをしに家から出ていくとずっと黙って見てるだけだったママが私の事をようやく抱き締めてくれたの。
嬉しかったけど、なんで殴られてるときに止めてくれないんだろうってモヤモヤした。
でもママは泣きながら、ごめんねごめんねって言ってたから私は許してあげたの。
大きくなってね。小学二年だったかな。サンタクロースの正体が分かった。
それで私は余計に惨めな気持ちなったの。
なんでか分かる?
えっ?分からないの?なんで?
お金がないと愛は手に入れられないって所は分かるよね?
はぁ?分からないの?なんで?なんで?
なんで分からないの?なんで?
ふざんじゃねぇよ!なんでだよ!
私のこと理解してるふりして結局は何にも理解してないんだね!
孤独で寂しい女に理解がありますよって雰囲気出しといて何も理解してないんだね!
まぁしょうがないか。
で、話変わるんだけどさ。
私の友達がね。こんなどうしょうもない男は殺せってさっきから私に言ってるんだけどさ。
お兄さんの事、殺していい?
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