第4話 ……詰む

 そうして、わたしはメイベルの生活を引き継ぐかたちで第二の人生を――。


 オーリィは、まだひとりで耽るということを知らなかったらしく、わたしがあの手この手尽くして、それはもう楽しく、うへへ♡ と抜いてあげていた。

 まぁ、男の子の生理みたいなものだから、良いでしょ。


 はあはあ。

 

 はあはあ。


 めっちゃサイコー!♡

 でも、もっとこう男女の営みをまともに出来ればもっとサイコーだったんだけどな……。くっそー!



「お姉ちゃん、お腹空いたー」


「あー、はいはい。直ぐ美味しいもの作ってあげ……」


 あれ?

 食材が……ない? もうなんにも……。

 なら、買いに行かなくちゃ……って、お金……小銭がもうわずかしかない!?


 あ、そうだった。

 わたしとオーリィは、両親を亡くした姉弟で2人っきりの生活……めっちゃはかどるシチュだけど、それってつまり――わたしが働かねば……。


 自分の食いぶちだけでなく、オーリィはまだ幼いからわたしが養わなくちゃならない……。



 でも、そこはやはり、折角の異世界なんだし?

 冒険者として活躍し、あの子に贅沢させてあげようっと♡



 で、やって来ました冒険者ギルド!

 戦士、僧侶、魔法使い……どれにしようかしら?


 しかーし、ギルドの受付嬢に色々と詳しく聞いてみた結果……。

 今のわたしには、そもそも冒険者はどうもムリっぽかった。


 LV1からスタートして、オーリィを養えるくらい稼げるようになるまでには、少なくともLV20は必要だった。


 それくらいから出来そうなクエストを受注して、こなせるようでなくては……。


 LV20……聞けば、そこまで早くても半年はかかるって話だった。早い人でだ。

 直ぐお金が必要なんだ。他の仕事探さないとダメか……。


 自宅警備員以外の仕事をしたことのないわたしに……一体何が出来るというのかあああ!


 ……つ、詰んだ。

 とほほと途方に暮れるしかなかった。



 そも、メイベルは生前、どうやって生計を立ててたのか……。


 それだけど、次第に思い当たることとなった。

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