if世界編

if 煉×紺

⚠️死ネタ・バッドエンド


[設定]

本編のif世界で、シェアハウスはしていないと言うより翡翠と氷雨にで合っていない世界線です。紺と煉の2人暮らしです。


 ────────────────────


「紺、僕もう……」


「まだ死なないでッ!」


 奇病により燃え炭になり始めた煉の体を優しく抱きしめながら涙を零す。落ちた涙はジュッと音を立てて蒸発していく。それ程煉の体は熱く燃え、限界を迎えていた。抱きしめている自分の体までやけどでは済まされないほど焼け始めているのに気づきながらも、置いていかれたくない一心で抱きしめ続ける。


「煉… 煉…」


 今にも消えそうな煉を繋ぎ止めるように必死に呼ぶが、ゆっくりと手が崩壊し始めた。


「やだ、やだッ!消えるな!」


「紺、好きだよ。愛してる。おやすみ紺。」


 燃えているため痛く苦しいはずなのにそんなことを思わせない穏やかな笑みを浮かべ、崩壊する腕を伸ばし俺の頭を撫でた。その暖かさにのせいか眠気が襲ってくる。


(なんでこんな時に病気が…)


 涙にボヤける視界の中、煉が灰になっていった気がした。そして俺は眠りについた。



 目覚めると真っ暗な世界にいた。どんなに走っても出口はなく、光一つ見えない深淵の中に居るようだった。


「煉、煉… れ、ん…」


 何度も煉の名前を呼ぼうとも声は聞こえない。崩れるように座り込み、涙を流しながら名前を叫び続ける。


「煉、煉、れーんッ!」


 最後の力を振り絞るように叫ぶと背後からコツコツと靴音が聞こえた。煉が来たのかと嬉しそうに目を細め振り向くとそこにいたのは絶望だった。


「ギギギッ。」


 後ろに立っていたのは不気味な笑みを浮かべた二足歩行の魚人だった。魚人は赤黒い瞳を光らせ、大きな口を開け、ギザギザの歯からは唾液が滴っていた。


「ぁ、あ……」


 俺は恐怖のあまり小さく母音しか発することしか出来なくなった。光が無いはずなのにテラテラと光る濡れた歯がゆっくりと近づいてくる。混乱と恐怖と喰われた事によって目の前が暗くなりフェードアウトしていく。


(これで、これで煉に会える¿?)





 ザザザッ──


 ──県──市、男性が1人亡くなっていました。腕や手は火傷しており事件性が有るか調査中です。また同居人の姿は無く、同時に調査しています。




 ────────────────────

初っ端から死ネタですみません!

続きが読みたいと言われて「奇病シェアハウス2」を作りましたが、何故かこの話を書きたくなってしまい、こっちを優先してしまいました。あと続きと言われてもちゃんとした病気の治し方を考えていなかったので、これから考えるのでもう少し時間がかかりそうです。


本編の話

今回は氷雨がいないため煉の病気の進行が早く、紺は煉が一緒に天国に行けるように「おやすみ」と言って強制的に眠らせたました。煉は本当に紺が死ぬか分からないけど可能性に賭けてみた感じです。また精神的に不安定なったせいか煉の思惑通りに紺の病気が進行しました。そして2人は亡くなりました。

彼らが天国で会えているといいですね。


余談

一応cpは 翡翠×紺 煉×氷雨 です。

リバなので多分どっちでも書けますし、今回のように固定ではありません。

リクエストお待ちしております!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る