第4話

 良くはないと思うけど、初心者用の物を選ぶよりもスタートダッシュになるだろうし、このままこれを選んじゃおう。


 「それなら遠慮しないでこれにするよ。アクセサリーの次は本だね。それで、この本はなんなの?」


 「それはね。魔法の書と技の書だよ!この本を読むと一瞬で誰でも魔法や技を覚えられるんだ!一冊だけ選んでね!」


 「そんな物があるんだ。これもオススメのはあるの?魔法でだよ?」


 今のところオススメのアイテムに悪い物がないから、魔法を選ぶのもオススメの物を聞いてみた。


 「使い勝手が良いのが良いかな?それなら、これと、これと、これだね!」


 三冊の魔法の書の上に矢印が現れる。そのオススメされた三冊の魔法の書を分けて確認する。


 「右から順に教えるね。右はマジックアロー、真ん中はマジックボール、左はマジックバーストの魔法だよ。」


 魔法の名前を教えられると、それから順に魔法の説明をしてくれた。


 マジックアローは魔力を矢の形に変えて放つ魔法で、飛距離がこの三つの中で一番あり、二番目に威力が高く、二番目に魔力消費の高い魔法なのだそうだ。


 マジックボールは魔力をバレーボールくらいの大きさの球を放つ魔法で、飛距離がこの三つの中で二番目であり、三番目に威力が高く、三番目に魔力消費の低い魔法なのだそうだ。


 マジックバーストは魔法発動者の身体から放たれる魔力の爆発で攻撃する魔法で、飛距離がこの三つの中で三番目であり、一番目に威力が高く、一番目に魔力消費の高い魔法なのだそうだ。


 この三つのオススメされた魔法の書から選んで行こうと思う。


 まずはマジックバーストは無しだ。離れた場所から攻撃する事が出来るから魔法を使いたいのに、接近された時にしか使えない様な魔法は序盤から使う気にはなれない。


 残ったのはマジックアローとマジックボールの二つだ。そして悩んだ結果、どちらも捨て難いが飛距離と威力が低くても使える回数が多いマジックボールに決めた。


 「マジックボールにするんだね!早速使ってみて!使い方は魔法の書を開いて見るだけだよ!!」


 「本当にお手軽なんだね。じゃあ早速読んでみるかな。」


 マジックボールの魔法の書を手に持って開こうとすると、どうやら魔法の書はページ数がそれなりにあるが、ページがくっ付いているのか、開けるのは真ん中だけの様だ。


 その為、真ん中から魔法の書を開くと、開いた魔法の書のページには二ページ分を使った円陣に文字が書かれていた。これは魔法陣なのだと思う。


 その円陣と書かれている文字が青白く光を放つと、光の魔法陣が魔法の書から浮かび上がり、アオイの身体の中に入り込んで行った。


 光の魔法陣が身体に入ると、どうすればマジックボールの魔法陣を展開して魔法を放てる様になるのかが理解する事が出来る。


 「これが魔法……!凄いよ!!」


 「はぁはぁ、可愛い反応ですよ。いつまでも見てられます!」


 人が感動している時にこの声は。はぁ、なんか一気に萎えてきた。でも次の袋の話を聞いてアイテム選びは最後だね。


 「それで最後のこの袋は何なの?」


 「それはね、空間収納の大袋って名前の魔道具だね。所有者固定化が付いてるから、盗難被害は心配しなくても良いよ!それとね、それを持っているのはアオイくんだけだから内緒にしてね!色々迷惑かけたお詫びのアイテムだ!」


 激レアアイテムって事だ。見せびらかしたりはしない方が良いアイテムだな。


 「注意して使うよ。それでこの中には何が入ってるの?」


 「その中には基本魔導書の読み書き図鑑、下級傷回復ポーション×10、下級魔力回復ポーション×10、銀貨10枚が入ってるよ。銀貨は後で渡す予定だったけど、その中に入れて置いた!」


 銀貨は本来後で貰えた物か。回復系アイテムはどっちもありがたいな。何処で購入出来るのかは分からないけど、持っていて安心出来る。でも、基本魔導書の読み書き図鑑?これが分からない。聞いてみるか。


 「基本魔導書の読み書き図鑑って言うのは何?読み書きを覚える物なのは分かるけど、魔導書が分からないんだけど?」


 「魔導書の事が分からないんだね!実はね、アオイくんは既に魔導書を持ってるんだ!」


 「僕が持ってる?」


 一体どう言う事なのか分からない。だから、詳しく聞く必要があるが、一つ思い当たる事がある。まずはそれを聞いてから質問しよう。


 「もしかして、この使用済みの魔法の書の事なの?」


 「気付いたんだね!うん、そうだよ!!」


 それから魔導書とは何なのかを説明して貰った。魔法の発動原理や構成などが書かれている本の事なのだそうだ。


 だから、魔導書を読み解き理解する事が出来れば、その魔導書に書かれている魔法を取得できる。


 その為、使用済みの魔法の書や魔導師が執筆した物が魔導書として出回っていると教えてくれた。


 「魔法の書は本来なら読み解き理解すると言う工程を飛ばして魔法を使える様にするから凄いんだよ!」


 「魔法を覚える手段は魔法の書だけじゃないんだね。他には魔導書を理解できる様になると良い事ってあるの?」


 「あるよ。自分で魔法を作る事も出来るからね。まあ、でも理解出来ても最初は覚えた魔法をいじるくらいだろうね。」


 それでも自分で作った魔法を使える様になるのはロマンがある。覚えたら、早速色々な魔法を作ってみたい。出来るかは分からないけど。


 「じゃあこれでアイテム選びは終わりだね。次はメニューの使い方だよ。メニューを表示するって念じてみて。それか、声に出して言うのでもメニューは表示されるよ!」


 「分かった。」


 まずは念じてメニューを表示する方法を確かめてみた。すると、一発でメニューが開けたのか、目の前にウインドウが現れる。


メニュー

ステータス

インベントリ

ヘルプ

ログアウト


 「一回で出来たみたいだね!まずはステータスから確認しようか。ステータスの部分を押してみて!」


 言われた通りにステータスの部分を押すと、僕のステータスが表示された。


ステータス

名前:アオイ

レベル:1

加護:幸運

称号:なし


装備

初心者のロッド 布のワンピース 初心者の魔術ローブ 初心者の革靴 幸運の星屑ヘアピン 空間収納の大袋(所有者固定化)


使用可能な魔法

マジックボール


使用可能な技

なし


持ち物

基本魔導書の読み書き図鑑 下級傷回復ポーション×10 下級魔力回復ポーション×10 銀貨10枚




……………………………………………………

三つの新作があります

・そうだ、異世界に行こう

・ひきこもりのゴーレムマスター

・異世界大戦

以上の三作です

時間がある方は読んでくれると嬉しいです

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