太陽は遍く降り注ぐ。その微笑みを曇らせる者を、私は赦さない。

  • ★★★ Excellent!!!

ガーメニー王国の伯爵令嬢エマは、少し前にデビュタントを終えていた。
美しい兄姉と比較されがちな容姿のエマだが、その微笑みは太陽のように眩しく、ダンスをする姿は向日葵の花が咲いたよう。
気付かぬ内に、社交界の太陽と愛されるエマ。
そんなエマの笑顔をいつも奪うのは、幼馴染みで伯爵令息のヘルムフリートだ。
ヘルムフリートは本心ではエマに好意を抱きつつも、素直になれずに意地悪ばかりをする。

そんなエマは、ある日慈善行為で訪れた孤児院で辺境伯令息パトリックと出逢う。
パトリックは、エマの笑顔に一瞬で心を奪われてしまった。
少しずつ、少しずつ、エマとの距離を縮めて行くパトリック。
エマもそんな彼に心惹かれて行き……。
順調に関係を築いて行くパトリックと遅れをとって焦るヘルムフリート。

この物語は、エマを巡る二人の男の対極な行動が見所です。
そしてエマの笑顔が曇った時、その背を押してくれた友人ユリアーナの過去。
エマの太陽の笑顔で癒されたユリアーナが、今度はエマを励ますシーンは二人の友情の強さを感じられます。

さて、エマは一体誰を選ぶ事になるのでしょう。
ヘルムフリートは逆転を狙えるのか?
クリスティーヌのお話を読んだ事のある方は、「あ、あの時の令嬢の……!」と、ハッとする事もあるでしょう!

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