第5話「最後の空」

まぁそもそも死と生に

癒着して

楽な死にざまを探してる


この白濁の空が

実は冷たいと

あの太陽にさえ

黒点はあるのだと

そう知りえて


涙が伝う


もう散々なバイオニクル

ストーブで温めた

靴下さえ


履くときはひんやりとして

傷跡に沁みる


もう自殺して

残す日を指折り数えて

最終日になれと思う


天高く聳えるビル

心は迷いなく

階段に足をかけ

フェンスを乗り越える

死んでいいから

最期に笑わせてほしかった


まぁ最後まで孤独で

最後まで一人ぼっちで

だけど

まぁ今日死ぬなら

未来の心配はない


傷つくことはもうないんだ

そうして僕は


ただただ冷たい風に打たれ

そっと宙を落ちていった。

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