嫉妬と独占と依存についての調査記録

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　通話記録、その三。

「……あの、ナツキ、なんだよね？」

「うん……」

「ナツキが、根尾を殺したんだよね？」

「…………うん」

「今まで何度も、人を殺してきたんだよね？」

「…………うん」

「僕に近づいてくる女の子を全員、殺して回っていたんだよね」

「…………うん」

「……ごめん、僕、ナツキの部屋の中勝手に見ちゃったんだ」

「……もういいの。どうせいつかはバレることだったし」

「そっか。……でもさ、僕、実はすごく嬉しいんだ。おかしいよね、自分の恋人が人殺しだったのに。でも、ナツキがそこまで僕のことを想ってくれているとわかって」

「……うん」

「僕だけがナツキを必要として、僕だけがナツキに寄りかかっていて、ナツキは僕のことを必要としていないんじゃないかって、不安になることがあったから。良かったよ、ナツキがそれほど僕を必要としてくれていたってわかって」

「……怒らないの？　通報したりしないの？」

「するわけないよ。ナツキは僕の恋人で、僕はナツキの彼氏なんだから。それに、僕はナツキがいない人生なんて考えられないんだ。僕はナツキがいないと生きていけないから。ナツキを自分の手から離すなんて、そんなこと、どんな理由があってもできないよ」

「そっか。私も同じ気持ち。不安にさせてごめんね」

「いいんだ。もういいんだよ。僕こそ、ナツキに負担をかけてごめん」

「……ねぇ、愛してるよ、リョウ」

「僕も、愛してるよ、ナツキ」

　今回の調査における通話記録は、本記録をもって以上とする。