第28話考察2

ー前回のあらすじー

Sランク冒険者パーティー《戦乙女ワレキューレ》はエリクスの目的を考察していたところ、育ての親であるギルドマスターと再会する。そして、そこでギルドマスターからレオが勇者の末裔だろうと言われるのだった.....。

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(side.《戦乙女ワレキューレ》)


「ゆ、勇者の子孫……?」

「どういうこと!?」


いきなりの勇者という単語に狼狽するローラとジェーンだったが、アリスは冷静に聞く。


「……その根拠は?」


今までも勇者の子孫と噂される人物は存在したが、その殆どが偽物か、確かめられる前に行方不明になっている。


そのため、いくら恩人であるギルドマスターから言われてもそのまま鵜呑みにはできなかった。


「う〜ん…そうだな、アイツらがワイバーンを倒したのは知ってるか?」


「ええ、知っていますが……それが何か?」


確かに無名のパーティーがSランクのワイバーンを討伐をしたことには驚いたが、この話には関係ないように思えた。


「実はあのワイバーンにとどめを刺したのはあの小僧らしいんだよ。」


「「「!?」」」


てっきりワイバーンはあのエマというAランク冒険者が仕留めたものだと思っていたアリス達は驚き、目を見開く。


狭い洞窟内で飛べなかったとしても、ワイバーンは脅威だ。


硬いウロコに強力な火炎ブレス、鋭い爪による引っ掻き攻撃などをもっており、とてもあの華奢な少年に倒すことができるとは思えない。


「そしてここが問題なんだが、あの小僧はどこからともなく取り出したでワイバーンを仕留めたらしい。」


ギルドマスターの言葉にアリス達は息を呑む。


「それは……!」

「もしかしてそれって……!」




「「「<聖剣>……!」」」


勇者が使ったと云われる能力の一つ、<聖剣>。


伝承にはかの勇者は自らの魔力を使い、何もない場所から光り輝く美しい剣を創り出し、魔族と戦っていた、と記されている。


まだ現物を見てはいないのでなんとも言えないが、それと似たような能力を持つということは勇者の子孫という可能性も上がるだろう。


「なるほど。エリクスはこの少年が勇者の子孫であることを知って、狙っているというわけですね?」


一説によると、死者をも蘇らせることができる呼ばれる伝説の秘薬『エリクサー』は

勇者の血とエリクス草という薬草を調合して生まれたものだと言われている。


そのため、錬金術師にとって勇者というのは喉から手が出るほど欲しい一級品だ。


「ああ。そして、俺の予想ではコイツとこの街に潜んでいる魔族が接触し、協力体制になったものと考えてる。」


「そういうことですか………。」


勇者の子孫であろう不安要素を始末したい魔族と、方や勇者のが欲しい闇錬金術師、確かに目的は合致しているだろう。


「取り敢えず、俺たちは勇者の小僧の監視と魔族と繋がってそうな人間の洗い出しをしているから、魔族とスタンピードの対策を頼む。」


「了解しました。」


ギルドマスターからの依頼に対しアリスは武者震いをし、


(今回こそを取ることができるかもしれない……!)


かつての仇であるヴォングラスに対して復讐心を燃やすのだった。














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*あとがき*

読んでくださりありがとうございます!

「面白いッ!」「アリス達は考察厨か!?」「先が気になる!」と感じた方はぜひ星をください、励みになります!

しばらく空けてしまってすみません。2月は作者が少し大変なので更新速度が遅くなるかもです。

設定23ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

勇者の能力の一つである<聖剣>は濃密な魔力を一箇所にまとめ、剣状にしたものです。レオ君は無意識のうちにこれを使っていました。やばいっすね。

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