第18話覚醒

ー前回のあらすじー

元気いっぱいの中二病、朝貝栄一はエマたちの依頼を確認したあと、定時になったため帰ろうとする。しかし、そこでエマたちのパーティーの定時連絡が途絶えるという大事件が発生するのだった......。

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「今すぐAランク以上の冒険者達を招集しろ!!急げ!手遅れになる!」


ギルドマスターが声を張り上げながら指示を出す中、コソコソとギルドマスターに近づく。


「あ、あのう.....。」


「あっ!?なんだ!」


ひぇっ!そんな大声ださなくてもいいじゃん!


「今日は定時で帰れまさんかね....?」


お願いだ!定時で帰らせてくれ!

今日はアイと一緒に絶品オーク串焼き食べるって約束してたんだ....。


「はぁ!?何いってんだお前!こんな一大事に帰れるわけがねぇだろうが!」


淡い期待を抱いていたがそれはすぐに裏切られた。


ちょっと!少しぐらい話を聞いてくれてもいいじゃん!

このままじゃ俺、アイに嫌われるんですけど!あいつすっげぇ根に持つタイプだからな!俺が1ヶ月口聞いてもらえなかったらどうしてくれる!


「はぃ....。分かりました.....。」


そんな不満を抱きながらも渋々戻る。












...............ちょっとエマさんたちの様子見てくるか....。









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(side.アレク)


「ギュオオオ!!」


ワイバーンが口に炎を溜める。


「ブレスがくる!私の後ろに隠れて!」


「うん!」

「はい!」


指示通りにエマの後ろに急いで回る。


「<水の壁ウォーターウォール>!!」


エマがそう唱えると、目の前に大きな水の壁が現れる。

それにワイバーンが放った炎が触れた瞬間、ジュオッ!っと音を立てながら消えていく。


「よし!アレクは右から注意を引いて!レオ君は機会を伺って後ろから切りつけて!」


「「はい!」」


エマの言葉を聞きながら思う。


(どうしてこんなことに!)


今回の依頼はゴブリン退治だったはず。ワイバーンがいるとは聞いていない。

そもそもワイバーンは山岳部に住む魔獣のはずだ。こんな狭い洞窟にいるはずがない。


(誰かに嵌められた?だとしたら誰が?)


そんなことを考えていると、後ろにいるエマから声がかけられる。


「アレク!危ない!」


ふと前を向くとワイバーンが前足を振り上げていた。


(あっ、死んだ。)


この距離ではどうやっても避けられない。きっと数秒後には押しつぶされていることだろう。


生き残ることを諦めて目を瞑る。


が、いつまで経っても痛みは来ない。

不思議に思い、恐る恐る目を開けると......。


「あきらめ....ない....で.....!」




そこには光り輝く剣でワイバーンの攻撃を受け止めるレオの姿があった。











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*あとがき*

読んでくださりありがとうございます!

「面白いッ!」「主人公出番無し!?」「先が気になる!」と感じた方はぜひレビューをください、励みになります!

ネギは苦手なんですが、串焼きのネギは食べられるんですよね....。

設定14ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レオ君のスキルである<勇者>は極めれば最強のスキルですが、今はまだ未熟なのでそこまで強くありません。

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