エリザベス一世

さて、馬車で揺られながら、移動すること数時間後.......私達は、イギリス王室にいた。


桃姫「うわぁ.......」


何というか、想像以上に大きい城だなぁ。


流石はエリザベス女王の暮らす城、国が変われば城も変わるってわけかぁ。


十兵衛「しかし、草履のまま城に上がるとは.......」


文化の違いに驚きつつ、そう呟く十兵衛。


一方、信長さんはというと


信長「フハハハハ!!面白いではないか!!」


案の定、文化の違いを楽しんでいた。


桃姫「竹千代くん。大丈夫?」

竹千代「は、はい.......」


そんな会話をしつつ、移動すること数分後


エリザベス一世『よく来てくれましたね』


私達は、とうとうエリザベス女王に謁見したのだった。


.....リアルなエリザベス女王はどんな感じだって?


そりゃあ.......威厳溢れまくりの姿だったよ。


女王なだけに、オーラが半端ないは確かだね。


エリザベス一世『私はエリザベス一世。あなたがジパングの姫君ね』

桃姫『はい。私の名は桃姫。美濃の国の王女でございます』


私がそう言うと、王座の間が軽く騒ついた。


まぁ、どうせ英語なんて分からないと高を括ってたんだろうな。


エリザベス一世『あなた.....とても英語が上手ね』

桃姫『いえいえ、それほどでもありませんよ』


営業スマイルを見せながら、そう言う私。


エリザベス一世『あなたの噂は聞いているわ。何でも、あのスペインを打ち破った船の立案者とか』

桃姫『.....そこまでご存知なのですか?』


私がそう尋ねると、エリザベス一世はニッコリと笑い


エリザベス一世『えぇ。だから、あなたに会いたくなったの』


と言った。


.......強い。


女王なだけに、やっぱり芯があるなぁ。


十兵衛「あの......桃姫様、少し良いですか?」

桃姫「ん?何?」

十兵衛「その.........竹千代殿の顔が赤くなってるんですが.....」

桃姫「え?」


十兵衛の言葉を聞き、竹千代くんの方を向くと.......


桃姫「竹千代くん?」

竹千代「............」


案の定、真っ赤な顔になりながらも、キラキラとした目でエリザベス一世を見ていた。


信長「本当だ。真っ赤だな」

十兵衛「航海の疲れが出てしまったのでしょうか.......?」


真っ赤な竹千代くんを見て、そう呟く十兵衛。


まぁ、心配になる気持ちは分かるよ。


桃姫「.....十兵衛、竹千代くんは熱を出しているわけじゃなくて、女王に惚れてるのよ」

「「は?」」


私がそう言うと、十兵衛と信長さんはポカーンとした後


「「はぁぁぁぁぁ!?」」


と叫んだ。


一方、その声で我に返ったのか......竹千代くんはビクッとするのだった。


信長「そうかそうか!!竹千代にも春が来たか!!」

竹千代「ち、違います!!」

十兵衛「竹千代さん、狙うのなら今がいいかと」

竹千代「狙いませんよ!!」


あ、そっか。


この時代では、10代で結婚は当たり前だっけ?


と、そんなことを思っていたら


エリザベス一世『フフフ、面白い方々ね』


エリザベス一世は、クスリと笑いながらそう言った。


そんなわけで、無事にエリザベス一世と出会えた私達なのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る