あなたの細胞が好き。


     きっと骨になっても。


     染みも、皺も。


     黒に混じった白い髪、指の沈む皮膚。


     頬に触れると、まるで違う生き物みたいに。


     だけど、それも好き。


     あなたの纏った細胞たちは、次第に死んでいくでしょう。


     私よりもずっと先に


     ウロコみたいにぽろぽろ落ちて。


     私はそれを拾いたい


     一つ、一つ、とひろい集めて、


     やさしく、「あなた」と愛でてあげたい。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る