孵り道







     駅に降り立つは、年の瀬の帰路。


     見えない白線が冷え冷えと私を突き刺して、


     あぁ、私はこれから帰るんだな、とやっと気がつく。


     もう少し、もう少し、と近づいていく。


     そして私はちいさくなっていく。


     扉を開ける頃にはきっと


     幼な子の様になってしまっているのだろう。



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