陽だまりの夢







     抱きしめられたい、赤子のように。


     わがままだろうか。


     みっともないか。


     私は大人になれやしない。


     いつまでたってもなれやしない。


     夜な夜なひとり、ほほ濡らして、


     陽だまりみたいな腕を夢みる。


     誰かに追われることもなく、命をねらう者もなく、


     戦争へ行くこともない。


     なんにもない。


     なんにもない。


     なんにもないのに心地いい、


     陽だまりみたいな腕を夢みる。



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