第10話 ハイテクてくてくカード

 「一番下の段見えますか?」


カードの一番下の段を見るとそこには「スキル」と書かれた項目が。


「スキル?」


「はい、そうです。そこを触ってもらっても良いですか?」


言われた通り「スキル」の文字をタップする。すると目の前にホログラム上の文字が浮かび上がってきた。うわぁ、すごっ。アニメとかでよくあるやつじゃん。


えーっと、採掘速度(1)、採掘効率(1)、鑑定眼(鉱石)ね。なんだこれ。


「そこに映し出されるのが、リターさんの今持っているスキルです。安心してください、他の人には見えませんので。個人情報ですからね。」


ほんとすごい技術。ではあるんだけどほんとにこれだけは言わせてほしい。これが出来て何で移動手段が馬車しかない? 電車は無理でも、蒸気機関車くらいちょちょっと作れそうなのに。いやまあ、私は作り方なんて知らないよ。うん。


「以上で説明は終わりですが、何か聞きたい事はありませんか?」


あ、もう終わりなんだ。なんかもっとすごい機能でも出てくるのかと思っていたけど、少し期待しすぎていたみたい。意外とシンプル。


ん? 名前の横に書いてある数字はなんだろう?


「この、名前の横にある数字は何ですか?」


「あぁ、それですか。それはレベルです。モンスターを倒したり、鉱石を取ったりすると経験値というものを獲得でき、一定量溜まるとレベルが上がるんですが、それを可視化したものですね。まぁ、純粋にレベルが高いほど強いと思っていただいて構いません」


ふーん。レベルね。なるほどなるほど。んーえーっと、私もしかしてゲームの世界に転生した?

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