脱獄ゲーム

@wafie

第1話 脱獄ゲーム

プロローグ


波風揺られる波の音、草木の揺れるざわざわとした音そして鳴り響く足音。人々はこの音を聞き普通の日常生活を送っていることだろう。


「だが、ここでは違う」

そう言い放ったのはここで言う看守と言う人物だった。


──────


あれは素晴らしく青が澄んでいる空の日。1つ目のバス停で止まったバスにある男が駆け込んで乗ってきた。通行人は何も思わなかっであろうか。


2つ目のバス停で次はバスの扉が閉まる直前ぜはぜはと呼吸を荒げた人が乗り込んできた。バスに乗っていたのは3人の男と運転手のみだった。


3つ目のバス停で止まった時そこにいたのは警察だった。バスの中が一気に真っ白になった。すると、たちまち運転手と乗客3人はこてんと倒れ眠ってしまった。


──────


室内に鳴り響く2人の声があった

「君の案は素晴らしかった。」

賞賛をあげたのは綺麗にスーツを着こなした年老いた人だった。


「ありがとうございます」


「ところで、君を看守に任命したいのだがよいかね」


「それは命令ですか」


静かに笑った

「違う。私のお願いだ」


「わかりらました」


「君の配属の刑務所を教える。バルカ刑務所そこで君は翌年逮捕した3人の男の面倒を見てやれ」



「子育ては得意では無いのですが」


にっと笑って見せた老人は

「君は面白いな」と言った。


看守となった男は敬礼をし部屋を去った。


開幕


2022年10月13日、異様な雰囲気を醸し出す孤島の刑務所に、ある囚人3人は収容された。


少し声の低い看守が癪に障るような言い方で囚人に言った。


「これから君たちはこの刑務所、通称バルカ刑務所で死刑になるまで過ごしてもらう」


そして囚人はオブラートにつつみきれていない言い方で言った

「あぁ、ここか豆腐みたいで美味しそうだなぁ…」


めんどくさい看守は早く進むよう促した

「ほらさっさと歩け」


いろいろな扉がある中、2つの鍵付きドアを通ったあと囚人たちの牢屋についた。


「まぁと言うわけで牢屋に入ってもらったんだが君たちには自己紹介してもらおう。」


囚人たちは声を揃え言った

「え、まじっすか」


すると看守は囚人たちに睨み付けた


声の高い、1人のリーダーらしき囚人から言った

「わかりました。じゃあ俺からいきますね。俺の名前は相模原龍之助(さがみはらりゅうのすけ)!よろしくお前は?」


「僕?えっと僕の名前は倉地猫助君は?(くらちねこすけ)」


最後に低い声の囚人

「私の名前は黒州未那覇羅!(くろすみなはら)画数多くて書くの大変なのだ」


「え!そうなんだ、あとで僕にどんな字か教えて!」


「無駄口はよせ」


「はいすいません」


「自己紹介も終わった事だ次はこの刑務所についていろいろ説明をしながらこの刑務所をまわろう」


「ながったらい話を聞かされるんですか?」


「いいから黙ってついてこい」


「はーい」


そして、ながったらいつまらない話を2時間ほどかけ聞かされるのであった。


「あぁ言い忘れていたが、死刑まで君たちは30日しかない」


「っ!」

囚人たちは驚いた様子で看守を見た


「短いですね。まぁ死刑だしそんなもんなんですかね。未那覇羅さん?」


「確かに早いが私もそこまで詳しくはないのだが看守はどうなんだ」


「そうだな、だが裁判所が決めたことだそれに口出しするのも良くないぞ」


「そうだね〜」


「それともうひとつ言い忘れていたことがあったな」

ひと呼吸置いたあと看守は自分の名前を言った


「私の名前は梶誠琢磨(かじまさたくま)だ」


「へ〜かっこいい名前だね看守」

馴れ馴れしい態度をとる猫助に看守の頭に血がじわじわと昇るのがほかの囚人にはわかった。


「か、看守!とりあえず今日はこれで終わりなんですか?」

龍之介が看守の血の気を引くように話を変えた


「まだだ、君たちの番号を決めるのと日数の減少をする」


「なるほど!日数減少は毎日1日の最後にするってことですね?」


「ああ、そうだ。それでは番号を決めていく。まず龍之介は7番、猫助は5番、未那覇羅は3番だ」


「へ〜連続して1、2、3みたいなのじゃないんですね」


「次に続けて日数減少も行う。あと、これからも番号が早い順に減らしていく。そしてこれから番号で呼んでいく。残り皆29日だ」


「それじゃあおやすみ」


「おやすみなさーい」

皆声をそろえて言った。


「いやぁ今日長かったですね〜」


「そうだな」


「そだね〜」

囚人たちは看守の長話に付き合わされとても疲れ切っていた


「皆、俺たち脱獄しないですか?」


「っ!!?」

龍之介の思わぬ言葉に2人は驚いた


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